大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

ケータイの力

またあおやぎさんのところからネタをもらつてしまふんですけども,ていふかvodafoneでは既に「リッジレーサー」だの「スターブレード」だのが動いてしまつてゐる現状を見れば「何を今さら」な感想なんだけれども,オレはオレでEZアプリ(BREW)の「ゼビウス」に触れるたびに隔世の感を強く感じてしまふのです。
言ふまでもなく「ゼビウス」には数多の移植版があるわけだが,アーケード版への近づき具合で見ればEZアプリ版はかなり上位に位置するといふか,オレの価値基準からみると「プレステ版の次に忠実」。ある意味,合格点の最低ラインをクリアしてゐる。
これに比べたら発売当時最強と謳はれたX68000版MZ-2500版PC-8001mkIISR版も失格,ファミコン版は当然ダメです。ていふか,今の目で見るとこれらの意外なショボさに悲しくなつてくる。
ちなみにこれはあくまで「アーケードに近づいてゐるか否か」だけが基準で,ゲームとして面白いかどうかは全く考慮外。ケータイアプリは操作性の面で失格。特にINFOBARはその独特のボタン形状のためにゲームとして成立しません。それはさておき。
画面のドット数*1の少なさと,ゲーム進行のスピードを補ふ意図からか,自機ソルバルウの移動は4ドットごとくらゐになつてゐるけれども,それでもゲームの再現性としては過去の8ビットパソコンや家庭用ゲーム機向けのものを遥かに凌駕してゐる。有効座標はPC-6001版「タイニーゼビウスmkII」とそれほど違はないはずなのに,ああそれなのに。
特に素晴らしいのはキャラクターの色の再現で,これもドット数は少ないながら,回転するトーロイドは一瞬全面ハイライトになつてキラッと光るし,爆発する地上物はゆつたりした爆発で赤い残光を焼付ける。これらの表現をきちんと再現できた移植版がプレステ以前にあつただらうか。ハードウェアの表現力だけの問題ならMZ-2500やX68000PCエンジンあたりで充分に近づくことができたはずなのに,それらが何故か越えられなかつたハードルを今時の携帯電話は軽く飛び越えてしまつたのだ。作る側の考へ方の問題もあるんだらうなあ。
技術は進歩するものだから携帯電話でかうしたものが動いてゐること自体に驚きはないけれども,屍の様に横たわる過去の移植版たちは一体何だつたのか,思ひを馳せるたびに流れる涙を禁じ得ない。見よ,この死屍累々の有様を。

話は変つて,フルポリゴンのリッジレーサーが動いてゐる一方で,これを「バトルギア」だと言ひ張るタイトーに一生ついて行きたい気分だ。iアプリなんでオレには遊べないけれど。

*1:ピクセル数といふより馴染み深いのだ