大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

風化しつつある視點

『プリキュアは苦手、仮面ライダーの方がいい』という息子になぜかと聞いてみたら防御力の面で割と現実的な理由を答えられた - Togetter

なかなか尤もな話である。同樣の理由で自分も子供の頃から長いことプロレスや格闘技の類全般が苦手だつたし、それをべースにした漫畫やアニメ・ゲームも基本的に避けてゐた。「生身の人間が素手で毆り合ふ」といふのだけはどうにも駄目だつたのだ。ボクシングはグローブを着けてゐたので大丈夫だつたが、馬場も猪木も俺のヒーローではなかつた。

さて、件のプリキュアについて、先のページにもコメントしたけれど、初代「ふたりはプリキュア」においてはこの息子氏の氣持に對する配慮がきちんとされてゐた。なぎさとほのかがプリキュアに變身する毎囘のバンクシーンの中で、二人の身體の皮膚の質感がまるで金属の樣に變化する瞬間があるのだ。勿論これは、「セーラームーン」に代表される變身ものアニメの「變身過程で全裸になるのを誤魔化すためのアニメ的な御約束」の一つに過ぎない。ただ、そこでセーラームーンや今のアイカツシリーズの樣に「よくわからないキラキラのエフェクトの身體」とするのではなく、やけに重厚感のある金属質の身體に變化させたといふところが、「女の子による肉彈戰」といふ當時の新機軸に對する制作陣による「繪的な理由附け」であつたのだらうといふことは想像に難くない。

件の息子氏の抱いた感想を肯ずるならば、やはりあれは必要な描冩だつたのだ。二期に渉るなぎさとほのかのプりキュアによつてジャンルが定着してからはもうそんな繪面的に可愛げのない描冩は必要がないと見倣されたのだらうが、元々さういふ視點は制作陣にもあつたのだ、といふことを思ひ出したのだつた。

靑ブタのこと

歸省から戻つて、録つておいた「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」最終話を鑑賞。

最後の一話でかえでと花楓の折合ひをどうつけるのかとハラハラしてゐたら、その話はそこそこに咲太と麻衣さんの折合ひの話になつてしまつた。戀愛ものとしてはそれが正しいのかもしれないが、ちよつと消化不良な感じがする。これはもう原作を讀まないと一生スッキリしないのだらう。

一生と言つたのは別に大袈裟ではなくて、話數を重ねる毎にアニメはどんどん面白くなつて今や昨年一番面白いアニメであつたと何の衒ひもなく言張れる位には思つてゐる。最初の三話*1も摑みとして良かつたが、次の三話*2の最後で一氣に持つて行かれた。よくあるループものだと最初は思はせておいて、最後に「そこがループポイントかよ」と意表を突かれ、これはどうも油斷ならないぞと身構へる樣になつたのだ。

人物配置もプロットとなるギミックも學園ラブコメライトノベルとしては手垢のついたものばかりで、作品タイトルのベタベタな語感の所爲もあつて最初は殆ど期待してゐなかつたし、第三話の解決を見て「そこまでド直球で來たか」と感心した後の四話目で「エンドレスエイトかよ」と思つた邊りはモチベーション的に危ふかつた。丁度その頃江の島界隈に遊びに行つたので親近感が湧いてその後の視聽には繋がつたが、まだその時は聖地巡禮といふ程には盛上つてもゐなかつたのだ。

yamatotajimaya.hatenablog.com

まだ「Just Because!」のことを氣にしてゐたりして、しかし「Just Because!」と「青ブタ」は原作者が同じだつたのだな。知らなかつた。話が逸れたが、そんなよくあるプロットと道具立てで、しかし内容は中々骨太だ。殊に「これ系」でよくありがちなイタい妹キャラだと思つてゐたかえでの話が最大のクライマックスとして描かれただけに、最後に骨を拔かれた感じがしてどうにも釈然としない。いやむしろ、この取返しのつかない空しい日常感こそが描かれるべきだつた、それは解る。解るんだけども。

そんな訣で、釈然としない氣持の遣り場を求めてラノべ原作に手を著けることにした。アニメを見返しながらしつかり讀まう。

*1:麻衣さんの話

*2:古賀の話

いきなりメタ日記

夏休みの宿題に追はれるが如く、日々の日記をメモを元に後から更新してゐるのだが、日記の日付と現實の日付が乖離する一方で決して縮まることはないため、今年付から一日毎の日記スタイルは諦めることにする。既にはてなダイアリーは廢止が決つてゐて、リアルのこの時期は追付くために氣張って更新もしたのだが、結局間に合はずにはてなブログへ強制移行となつた。そんな訣で、ここから先はざつくり月毎にテーマ別にトピックを分けてペースを飛ばすことにする。メタ日記ここまで。

正月は近所の冩眞を撮り歩いたり、友人K氏と共に神戸に足を伸ばしてまた写眞を撮り歩いた。

2019新春 | Flickr

2019 神戸散歩 | Flickr

近所の方は「外人が撮つてFlickrに上げてさうな仕上げ」を目指した。

色々締括り

「麻衣の虫ぐらし」二巻で完結。

麻衣の虫ぐらし2巻 | 著:雨がっぱ少女群 |ebookjapan

一巻が終活漫畫だと思つたら二巻は百合漫畫だつた。どちらも譬喩ではなく。

アズールレーン」正月イべント艦コンプリート。年が明ける前に終るとは思はなかつた。

https://pbs.twimg.com/media/DvrlZSJU8AAZkQp.jpghttps://pbs.twimg.com/media/DvkAHXMUYAAeStI.jpghttps://pbs.twimg.com/media/DvjWrZbUUAUla6g.jpghttps://pbs.twimg.com/media/DvjWrZcVsAAUyaj.jpghttps://pbs.twimg.com/media/DveWRtNV4AAQjE-.jpghttp://pbs.twimg.com/media/DveWRtSUwAAyRYv.jpg

空母に改裝される前の加賀がいいな。聲がかやのんだし。

田舎の風習では大晦日は節分と全く同義*1なので、新暦の大晦日に豆撤きをして厄除けの節分料理*2が出るので子供の頃から正直ちよつと辟易してゐたのだが、最近は母もあまり拘らなくなつたので普通に御馳走。

https://pbs.twimg.com/media/DvvBJgfUwAQDEE2.jpg

鱈場蟹、美味しくいただいた。

*1:元々節分は舊暦の大晦日のことである

*2:鰯の干物の燒物とか精進料理とか

歸省

大阪の實家に歸省。母の膝の手術の後でもあるので島に歸るのは斷念。

歸つたら家に甲類燒酎の大きな未開封ボトルがあつてギョッとした。弟が父にと買つて置いて行つたものらしい。父は大酒呑み*1ではあるが甲類の安酒にだけは手を出してゐない。酒をあまり呑まない弟にはそのへんの機微が分らなかつた樣なので、後でやんはり傳へておいた。

代りに馴染みの店で買つてきた芋の一升瓶を手土産に渡した。

*1:ほぼ燒酎しか呑まない

色々完結

漫畫「レイチェル・ダイアル」。二巻で完結。

レイチェル・ダイアル 1巻 | 皿池篤志 | ebookjapan

ボリューム的に丁度良い時間のスケールで作品世界を魅力的に切取つて描き切つた感がある。實に樂しかつた。

アニメ「色づく世界の明日から」完結。最終話を觀た後、すぐさま第一話の時間遡行の瞬間と最終話の戻つて來た瞬間を繋いで觀てみる。一度はこれをやつておかなくては味はひも半減だらう。

ただ、この間に挾まる道行の行きも歸りも瞳美の意志とはほぼ無關係にただバスに乘せられて移動しただけ、といふ物語の構造になつてゐるのは少々頂けないところだつた。行きはともかく、未來に歸らざるを得ない理由とは別に、歸らなくてはならぬ瞳美の意志が必要だつたと思ふ。未來に歸つた後の切なさも瞳美の選択の結果といふ形であつてほしかつた。

あと、マーケティング的には有得ないことだとは思ふが、本編映像の殆どは瞳美の主觀的な視點としてモノクロームで描冩するくらゐの攻めた姿勢でも良かつたと思ふ。

などと注文をつけたくなる程には毎週樂しみにしてゐた作品だつた。良かつたよ。

テンクロ揃へばルンルンパ

藤田淑子さん死去。自分にとつてはやはり一休さんに代表される少年聲の印象が強いが、何より中學生の頃に聽いてゐた「アニメトピア」第三期*1にゲスト出演された時に自ら語つてをられた、同時期にマライヒ*2・泪姉さん*3・テン丸*4ミーム*5を演じ分けてゐるといふ事實を知つて、聲優さんといふ仕事の凄さを初めて認識したのだつた。

有難うございました。

*1:坂本千夏高橋美紀コンビ

*2:パタリロ

*3:「CAT'S EYE」

*4:「こてんぐテン丸」

*5:ミームいろいろ夢の旅」

オサレ系インディーズ

Nintendo Switch用「Aaero」。

音ゲーなのだがシューティング要素もあり、自機と照準を別々に動かすのに混亂するのに加へてトラップが唐突でわからん内に殺される。ゲームとして面白くしようと工夫しすぎて本來的な氣持良さを蔑ろにしてしまふパターン。ビジュアルのオサレ系にありがちな奴だつた。

TV版パトレイバー

NETFLIXに「機動警察パトレイバー ON TV」が來てゐたので懷かしみながら最初の四話を觀た。

自分にとつての「パトレイバー」はコミック版が第一で、初期OVAはよみうりTVの「アニメだいすき」枠で放映されたのを觀てそれなりに好きではあつたが、コミック版と較べれば何枚も落ちるものであつた。劇場版はよいものであつたが、それは別腹として始まつたTV版は突然現れたボーナスステージの樣なものだつた。

制作がタツノコからサンライズになつて、色遣ひが洗練されて、メカデザインも格好よくなつて、話のノリも概ね輕くなつて、知つてる世界の別の話を樂しめるとあつて、たぶん當時の自分は實際の出來よりも「今TVでパトレイバーが流れてゐる幸せ」に浸つてゐたのだと思ふ。何なら「知つてる話の燒き直し」でしかないグリフォン編に突入すると殘念に感じる程だった。そつちは漫畫で堪能してるところだから、別の話とメカを出せと。

TV版「パトレイバー」は他のバージョンと較べると荒唐無稽の度が過ぎるかも知れないが、「現代社會に大きなロボットが闊歩するアニメ」としては無二の出來だつたと思ふ。押井版は闘歩しないからね。殘りの話數もじつくり樂しまう。

グリッドマン完結

「SSSS.GRIDMAN」最終話を視聽。六花ママはいつバニーガール姿でエレキギターを振囘して「だーいこーんぶいー」と叫びながら怪獸をブン毆るのかと思つて待つてゐたが、そんなシーンは來なかつた。

まあそんな餘駄はさて措き、オリジナルの特撮「電光超人グリッドマン」をちやんと觀てゐた訣ではない自分にとつても面白い作品ではあつたと思ふ。ちやんと話を理解できたといふ自信はないが、あの實冩パートが「本編」へと繋がるものであるだらうといふ想像は出來るし、それを肯定的に捉ヘられる納得力を最大限に發揮すべきなのだらう。

ただ、どうしてもアカネの「美少女無罪」に引張られてしまふ點は氣になるところで、このアカネの役囘りが冴えないオタクの男子高校生、今作で言へば將の樣なキャラだつたら同じ樣に視聽の興味が持續したかは少々怪しいところがある。別に作中でアカネが美少女特權を得てゐた訣ではないから、あくまで作品の外側への作用としてではあるけれども。

自分には爲し得ない、氣附けもしない考察について良いまとめがあつたので、納得するしないは別にしてこれを讀みつつ咀嚼したいと思ふ。

【SSSS.GRIDMAN考察】“物語”についての物語としてのグリッドマン【随時更新】 - Togetter

年の瀬に表れた傑作

Nintendo Switch用「ネコネイビー」。steamで定評のある横スクロールシューティングの移植版。グラフィックは途撤もなく緩いけれど、ゲームはこの上なく練り込まれた傑作。素晴しい。簡單な難易度で初プレイしたら初見でギリギリ全面クリアできた。この絶妙なバランス感覺も素晴しい。上の難易度への挑戦意欲も湧くといふもの。夕方に遊び始めて氣附いたら夜中の三時になつてゐた。

ゼロ年代のゲームと昭和のゲーム

Nintendo Switch用「塊魂アンコール」。PS2用の一作目のHDりメイク。少し遊んだ感じ、當時の特徴的な楽曲や演出がそのまま復刻されてゐて樂しい。降つて來た雀の群れを巻込んで、羽がバタバタしてるのは今見ると少々グロいな。

Switchならではのコダワリ*1操作ではジョイコンの「イイね持ち」による疑似ツインスティック操作が可能だが、兩手を前に倒して前進した状態から左手を手前に引いて左ターンしようとすると逆に右を向くといふ意味不明の擧動により實用的價値は無きに等しい。もうナムコにはゲームを作れる人は居ないのか。今時オートセーブにも對應してゐないし、セーブ操作後に「ゲームを終りますか」と一々尋ねてくるに到つては「PS2のゲームかよ」と呟かずには居られない。まあPS2のゲームなんだけど、それをそのまんま持つて來られてもなあ。

http://pbs.twimg.com/media/DvAH4fOVYAAqd3C.jpghttp://pbs.twimg.com/media/DvAH4f3VsAAF0Nj.jpg

同じくNintendo Switch用「デーモンクリスタル」、これも昔のゲームの復刻版。如何にも當時のナムコタイトーに憧れて作られたPC向けのゲームを作者自らが復刻。對應機種を持つてゐなかつた當時は「ベーマガの廣告でよく見るゲーム」だつた。昔の雰園氣は損ふことなく、セーブ周りはちやんと今時のゲームらしい仕樣に合せてゐる。リスペクトされてゐた筈のナムコが今やあの體たらくなのに。

ちやんとしようぜ。

*1:コダハリ

二千万圓ですつてよ

「Forza 7」ジャガーFタイプ プロジェクト7でワトキンズグレンを走る。何といふか、ジャガーの高級モデルにはもう少し優美さを持ってゐて欲しいのだけど、どうしてもデップリしてしまふのは時節柄仕方ないのかね。

同じくジャガーバージニア北コース。景色もカメラワークも惡くないのに、ショートカット抑止用のタイヤバリアが多すぎて臺無しだ。オンライン對戰の不正防止の爲とはいつても、もう少しやり方を考へてほしい。