大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

2026F1鈴鹿観戦記

事前準備

F1チケットの購入は少し出遅れてしまったため、カメラマンエリア券は購入できず。唯一購入可能だった西コース自由席券(18000円)を二枚購入。

宿泊の確保は同行の友人にお任せ。中勢エリア界隈・伊勢・名古屋まで含めて全滅に近いが、粘り勝ちで伊勢方面に確保してくれた。感謝。

友人と情報共有のためにスマホアプリのTabioriを利用してスケジュールや持ち物、宿の情報などを登録。

西コースメインなのでラジオが必要だらうと思ひ、ビックカメラで携帯ラジオを購入した。小さいがデジタル選局なので役に立つ筈だ。

1日目(3/26木)

友人はピットウォークのために朝から移動。しかし白子ルートを選んでしまったためにバス待ちで出遅れ、終了ギリギリの到着になったらしい。自分は当日移動ではピットウォークには間に合はないので、午後に伊勢市で合流。目的は伊勢神宮参拝。

鈴鹿からくる友人待ちの間に昼食で伊勢うどんと牡蠣とサラダをいただく。伊勢うどんは昨今のうどんの流行からは遠い食感なので良い評判を聞かないが、これはこれで嫌ひではない。

友人と合流して外宮・内宮・おかげ横丁・猿田彦神社を巡る。バス移動が便利。

夜は伊勢市のアパートメント式の宿。ここは一泊のみ。風呂が無いので近くの銭湯でリフレッシュした後、台湾料理店で夕食。ルーロー飯と水餃子をいただく。

宿に戻って持参したfirestickでフジテレビオンデマンドのF1番組を見ながら寝る。この時点でたいへん疲れた。

2日目(3/27金)

朝7時起床。シューマッハー時代に買って二十年以上経つフェラーリシャツに着替へる。

昨日沢山歩いたために既に足腰が筋肉痛。こんな状態で大荷物を下げて行動するのはしんどいので、友人と一計を案じて伊勢市駅のコインロッカーに荷物を預けた。この日からの宿泊地は伊勢市ではなく二見浦だが、問題はないと判断した。

伊勢市からはJRの快速みえ号を利用し、伊勢鉄道の鈴鹿サーキット稲生からサーキット入り。道中のテントで売っていたうなぎのおにぎりを買ふ。

1コーナーゲートからサーキットに入り、ドミニクドゥーセのカヌレをいくつか買っておく。世の中がカヌレブームになるよりずっと前から、ここのカヌレのファンだったので絶対に外せない。

GPスクウェアの見物はそこそこに、ヘアピン席を目指す。金曜日は指定席エリアも一部を除いて自由席扱ひなので、I席のコーナー出口側でカメラを構へる。

それにしても金曜日から人が多い。近年の観客増加は目を見張るものがあり、金曜日時点で子連れや若者が多いのはどうしたことかと友人と話してゐて気付いた。今は春休みだから気兼ねなく来られるのだ。なるほど、秋開催では考へられなかったことだ。

午前のフリー走行1を見終へて移動。シケインゲートから一旦外に出て、サーキットの下をくぐり逆バンクゲートから再入場。逆バンク席に陣取ってから逆バンクオアシスで昼食のチャーハンをいただく。千四百円。まあそれなりの値段ではあるが、以前に比べると値上がりした分量もクオリティもそこそこ満足できるものを出すので文句はない。

昼まではちょっと暑いくらゐの日照りだったが、午後になって日が傾くと涼しい気温になってきた。フリー走行2で逆バンクを走るマシンを見て思った感想は一つ。「おっそ!」
今年からのレギュレーション変更でS字区間の車速が遅くなることは危惧されてゐたが、ここまで目に見えて遅いとは。これはがっかりするし、ドライバーから不満がでるのも当然だと思ふ。


フリー走行2を見終へて、GPスクウェアを見物。昔の様にF1マシンの実車が置かれる様なことはなく、あっても精々ホンダブースに置かれたアストンマーチンカラーのFIA標準モデルのモックアップのみ。供給チームが変って早々なのでレッドブル系のマシンを置くわけにもいかず、寂しい限りだ。

金曜日のサーキット脱出は行きと同じ、鈴鹿サーキット稲生から。白子へのバスはまだ市内の平日ダイヤ運行の隙間なので、全くキャパシティが無い。伊勢鉄道も時間がかかると言はれてゐるが、津・伊勢方面は全くそんなことはなく、一本も待つことなく到着した快速みえ号に乗車できた。名古屋方面はもちろん大変な様子。

快速みえ号で伊勢市に向かひ、コインロッカーに預けた荷物を回収。JR参宮線の電車は一時間に一本あるかないかなので、時間潰しに夕食でもと思ったが中途半端な時間しかなく断念。

参宮線のワンマン気動車に乗り二見浦駅で下車。後ろの山陰に浮かぶ不思議な建造物は何かと思ったら、ライトアップされた旧伊勢戦国時代村の安土城模擬天守だった。若いころTVCMで見たままだったが、まだ残ってゐたのか。今は施設名が変ってゐるらしい。

二見浦駅前のコンビニで弁当や飲み物を買って、21時頃に海沿ひの旅館に投宿した。古風な木造の大型旅館だが、入り口ロビーに巨大なエイリアンとプレデターの像があり異彩を放ってゐた。

宿の女将の案内で部屋に入り、一息ついてから浴場へ。特に温泉といふわけではないが、それでも大きな湯船が心地よい。今日は女子のクラブ活動で多くの部屋が埋まってゐるとのことでちょっと騒々しいが、おかげで男風呂は貸切状態となってゐて快適だった。

夕食がコンビニ飯なのはちょっと残念だったが、それ以外はほぼ満足。FODのフリー走行の見逃し配信を見ながら就寝。サーキットで写真を撮ってゐるだけだと何が起きてゐるのかほとんどわからないので、おさらひは必須である。

3日目(3/28土)

朝6時半起床。筋肉痛が酷いが、連泊なので余分な荷物を持たなくてよいのは大きい。とはいへカメラのレンズが重いので、手ぶらの気軽さは残念ながら無い。

7時頃宿を出て、すこし宿の裏手の海岸を見物。遠くにちらりと夫婦岩を望むことができたがそこまで行く時間はない。

改めて明るい時間に二見浦の町を歩くと、雰囲気のある建物ばかりで楽しい。作り物感のあるおかげ横丁に比べると、こちらはいかにも本物の佇まひである様に感じる。赤福餅をはじめ、餅や饅頭の店が多い様だが、これらが開いてゐる時間に戻ってこられないのが残念だ。

二見浦駅は「ふたみがうら」ではなく「ふたみのうら」らしい。言はれなければ気付かないのは鈴鹿市の白子(しろこ)と同様か。

二見浦からは昨日と同様、快速みえ号で鈴鹿サーキット稲生駅まで。twitterによると昨日までの鈴鹿サーキットの入場者数は木・金合せて十万人に達したとのこと。F1人気の低迷期を知るだけに信じられない人気ぶりである。

稲生駅からサーキットへの道中、昨日と同じテントでは生ビールの圧力タンクからビールが噴き出してゐて、お姉さんたちが大騒ぎしてゐた。それを弄りつつうなぎのおにぎりを二個購入。

サーキット入りし、そのまま歩いてヘアピン方面へ。カメラを入れたバッグが重く、足腰への負担が大きい。提げ方を工夫して、なんとか楽な歩き方ができるまで往生した。

ヘアピン入り口側のH席の下が自由席エリアだが、既に人で一杯である。空きスペースを見つけるのが得意な友人の助けを借りて場所をとり、キャンプ用の携帯チェアを置く。「ゆるキャン△」でしまりんが使っているタイプのものだが、地面が傾斜してゐるためどうも座りが悪い。四つの脚を敢へてバラした状態で、地面に直接座る形にしてなんとか落ち着いたが、これが後への伏線となる。

飲んでゐる薬の影響で眠気がひどく、目が自然に閉じてしまふ状態でフリー走行3。友人に言はせるとほとんど寝てゐたとのことだが、自分としては意識はあるが身体機能として目が閉じようとしてゐるだけである。なんにせよ、カメラを振り回せる席ではないのでおとなしく目の前の車を見つつラジオを聞いてゐるだけだった。フリー走行だもの、そこまで真面目に見なくともよい。

友人はH席下のエリアは満足できなかったさうなので、スプーンカーブの席まで移動した。自分は眠気と足腰のダルさのためにそこまでの気力が湧かず、そのままのエリアに留まる。ただ、客の入れ替りで余地ができたので少しだけ場所を移動した。

昼食は近くの屋台で売ってゐたケバブロールとビール。ケバブは千五百円。まあまあのボリュームだった。あとは昨日買ったドミニクドゥーセのカヌレの残りと朝買ったうなぎのおにぎり。おにぎりはカバンの中で潰れてゐたが、味に問題はない。安い割に美味だった。

午後は予選。スマホのF1公式タイミングモニタを見ながらの観戦で、これは家でやっていることと変らないから現地で見る意味があるのかと言はれれば、まあ、その、なんだ。それがいいのだ。別に写真を撮ることが目的ではなく、F1を浴びにいく。映像や写真ではわからないF1マシンの色味を見ながら、実際のサーキットのスケール感のなかでそのスピードを味はふ、云々。いやまあどうでもいい。そこにF1があるから見に行くといふことを、二十数年やってきた。それだけだ。

予選ではフェラーリがQ3であまり揮はなかったことに落胆しつつ、アントネッリの速さに驚嘆した。

スプーンから戻ってくる友人と合流して、サーキットを後にする。土日の帰りは三重交通を完全に信頼して、白子駅行きのバス乗り場の行列に並ぶことにしてゐる。待ち時間はあるが、待つ時間への信頼性が高い。

バス乗り場エリアの入口に「現在この場所からバスに乗るまで100分待ち」と書いてある。三重交通がさう言ふなら、それまでにはバスに確実に乗れるのだ。乗ってしまへば白子までの道程が込んで詰まることはなく、15分もすれば駅に着く。時間が読めないといふことはない。

入口からバス乗り場までは、駐車場を蛇行するように道をつけてある。この蛇行区間を歩かせることで、駐車場内の人口密度を最大化しつつ、しかし列が止まることはほとんどなくずっと流れてゐる。折り返しの残り数回の地点ではさすがに滞留するが、それも長時間のことではない。最後のバス待ち区間は櫛形の待機エリアで、バス一台分の列を二十列ほど用意し、バス料金の精算が済んだ順に案内される。この列に入れば待つ方も一息ついて、携帯椅子で座ったりして待つことができる。こちらも学習してゐるので、サーキット場内用のキャンプ椅子とは別に、さらに小さな腰掛けを用意してある。畳めばペットボトル一本分のサイズと重さになる逸品だ。これでバス待ちも苦にはならない。

実際にバスに乗れる様になったのは、「100分待ち」の看板を過ぎてから概ね70分経った時だった。思ったよりも早いといふか、看板の方が鯖を読んでゐたのだらう。早いに越したことはなく、案内としては悪いものではない。100分に絶望した者には平田町駅まで30分程度歩く選択肢が残されてゐるのだから問題はない。

無事バスに乗り、白子に着いて、先に夕食をとることにした。何度も行ったことがある駅近くの焼き肉店に空席があったので、久しぶりの焼き肉を堪能。高級店でもなんでもないが、実に旨かった。

食事を終へて近鉄急行に乗り三たび伊勢市まで。参宮線の普通電車に乗り継いで二見浦の旅館に戻った時には夜十時。女将さんは待ってくれてゐた。早朝から働いてらっしゃるのに申し訳ない。

FODで予選を見直し、風呂に入ってから就寝したのは夜中の一時頃だった。

4日目(3/29日)

起床から稲生駅に着くまでは昨日と同じルーティン。異なるのは最終日なので荷物をフルに担いでゐること。重くて嵩張るものの、これについては思案がある。

これもルーティンと化したテントのうなぎ売り。今日はちょっと張り込んで太巻き、即ち「う巻き」を購入。おにぎり二個の倍の値段だがまあよからう。

サーキットに入場したら、すぐのところにあるクロネコヤマトのテントで衣類の詰まったリュックを預け、自宅に発送の手続きを済ませる。これで昨日と同じ身軽な格好で観戦できる。

手荷物を発送した後、すぐ近くにあるGPスクウェア乗り場から西コースへのシャトルバスに乗って西ストレートゲートへ向った。ゲートから西ストレート、さらに200R(通称マッチャン)の下をくぐって階段を上り、スプーンカーブへ歩く。

スプーンカーブの観客席の自由席エリアは既に九割がた埋まってをり、人と人の隙間を探す様にして奥の方へ進んでいった。右往左往しつつコーナーのエイペックスに近い箇所に二人分のスペースを確保。

荷物を置いてキャンプ椅子を組み立てるも、ここでトラブル。昨日の午前に、脚を組まずに椅子を直に地面に置いていたため、脚を嵌める穴に土が詰まってしまって組み立てることができない。昨日は傾斜地の段差の上だったからそれでよかったが、今日の場所は平地なのでそのままでは具合が悪く、脚をきちんと組み立てる必要がある。朝買った太巻きについてきた割り箸を使って穴から土をほじくり出し、脚を無理やり捻じ込んで、やれやれと椅子に腰かけたところ、ミシミシと音を立てて椅子が落ち、尻餅をついてしまった。まるで漫画である。

見ると、脚を嵌めた穴の樹脂パーツが割れてしまってゐた。土が完全に除去できてゐなかったため、脚の捻じ込みの深さが浅く、規格外の負荷がかかって破損してしまったのだった。使ひ勝手のいい椅子であったが、駄目にしてしまった。小さい方の携帯椅子も持ってゐたので当座を凌ぐことはできたものの、勿体ないことをしてしまった。

そんなことをやっている間、コース上ではサポートレースのフェラーリチャレンジやポルシェカップが行はれてゐたが、両レースともレース中のクラッシュのため赤旗中断、どちらもそのままレースは中止となってしまってゐた。サポートレースなので中断のために時間の延長などはされないのだ。ポルシェカップのクラッシュはマッチャンで車が横転、大破するほど激しいもので、ドライバーは無事の様だったが、F1の波瀾の展開を予想させるものとなった。そもそもマッチャンの名称が200Rでクラッシュして亡くなったホンダのテストドライバーの愛称に由来するもので、外側にランオフエリアが皆無の加速区間なので何かが起きたら危険な場所なのだ。だから鈴鹿サーキットはマッチャンの名前を公式には採用してゐない。シケインを決して大ちゃんとは呼ばないのと同じだ。

昼を過ぎて、ドライバーズパレードからの各マシンのコースインを経てオープニングセレモニー。過去二回は陸上自衛隊による格調高い君が代の演奏・独唱だったところ、今年はYOSHIKIによるロックアレンジの君が代だった。事前に危惧したほど酷いものではなかったが、あまり変なことはしない方が良いと思ふ。

レーススタート、期待通りにフェラーリの飛び出しが良かったものの、首位を取るには至らず。メルセデスのラッセルの独走かと思はれたが、タイヤ交換のタイミングでハースのベアマンが大クラッシュ。場所はスプーンカーブで、前走車を抜かうとしたベアマンが挙動を乱してコーナーを直進、フェンスに突っ込むところを肉眼でしっかり見てしまった。ドライバーには相当な衝撃が加はったと思はれるが、マシンを降りたオリ―・ベアマンは少し足を引き摺る様子を見せつつも大事ない様子で安心した。

この事故処理のためにセーフティカーが導入され、このタイミングでタイヤ交換が一斉に行なはれた綾でラッセルは後方に沈み、ポールポジションからスタートしたものの出遅れてゐたキミ・アントネッリが先頭に立つことに。

レース再開後、アントネッリが安定した独走を見せて、前戦中国GPから二戦連続となるポール・トゥ・ウィンを達成。十九歳で史上最年少となるランキングトップの地位を掴んだ。デビューした昨年はまだ高校生ドライバーだったのに、もう他のドライバーをリードしてゐる。末恐ろしい若者だ。ライコネンに因んだキミの名は伊達ぢゃない。

表彰式の声を聴きつつ荷物を纒めて撤収の準備を済ませ、西コースを後にする。スプーンカーブの入口のあたりは場内移動のボトルネックで、コースと他所の敷地に挟まれた狭い通路に数千人が殺到するので進みが非常に悪い。ここは何とかならないものか。この日の観客数は十三万人にも達したさうで、そのうち何割がスプーンカーブに居たのかはわからないが、万は下らないのではなからうか。

シケインゲートからコース外に出て三重交通のバス乗り場へ向ふ。バス乗り場のゲートに着いた時間が17時丁度。案内看板はここから90分と示してゐる。昨日より観客数が多いのに時間は短い。流石に眉唾かもと思ひつつ列を進んで、いざバスに乗ってみると85分で乗れてしまった。昨日より時間の読みの精度が増してゐる。三重交通はまだまだ進化の途中にあるといふわけだ。頼もしい。

このバス待ちの間に、auの細い回線に難儀しつつ近鉄特急のチケットを購入。基本満席だが、バスの時間を読めてゐないからだらう、こまめにチェックを繰り返すと席の放出はあるものだ。

19時前に白子に着き、商店街にある喫茶店で一息。閉店間際に駆け込んだ形だが、店のマスターが話に乗ってくれて興が乗ったのもあって三十分ほど休憩した。

駅前の観光案内所を覗いて碧志摩メグのステッカーを二枚購入し、20時前に名古屋行きの近鉄特急に乗り込む。ここで大阪方面に帰る友人とはお別れ。

名古屋では個人的にルーティンにしてゐるCiaoの餡かけパスタをいただいて、予約してゐたのぞみで帰宅した。

まとめ

長年使ってゐたカメラマンエリア席の券を取り損ねたので、久しぶりに自由席での観戦となったがこれはこれで楽しめた。カメラマン席の値段の高騰もあるので、来年以降どうするかはまた友人と相談して決めなければならない。一つの席に縛られるのを好まない友人の意向もあるので、指定席券を買ふといふ選択肢はほぼあり得ないのだ。

そもそも選択肢といっても、発売日にチケットのサイトにアクセスした時点で命運はほぼ決まってしまふので、こればかりは今年の秋にあるであらう発売イベント次第といふことになる。

宿の確保も毎年の課題であるが、ともかくも伊勢方面で押さへることができさへすれば、当日の移動は何とでもなる道筋は建てられる。昔は一時名古屋に住んでゐたためにその辺は楽だったのが懐かしい。

今後も身体が動くうちは通ふことになるのだらうし、さうできる様に最低限の体力は維持しておきたいものである。疲れた疲れた。

おしまひ。

風化しつつある視點

『プリキュアは苦手、仮面ライダーの方がいい』という息子になぜかと聞いてみたら防御力の面で割と現実的な理由を答えられた - Togetter

なかなか尤もな話である。同樣の理由で自分も子供の頃から長いことプロレスや格闘技の類全般が苦手だつたし、それをべースにした漫畫やアニメ・ゲームも基本的に避けてゐた。「生身の人間が素手で毆り合ふ」といふのだけはどうにも駄目だつたのだ。ボクシングはグローブを着けてゐたので大丈夫だつたが、馬場も猪木も俺のヒーローではなかつた。

さて、件のプリキュアについて、先のページにもコメントしたけれど、初代「ふたりはプリキュア」においてはこの息子氏の氣持に對する配慮がきちんとされてゐた。なぎさとほのかがプリキュアに變身する毎囘のバンクシーンの中で、二人の身體の皮膚の質感がまるで金属の樣に變化する瞬間があるのだ。勿論これは、「セーラームーン」に代表される變身ものアニメの「變身過程で全裸になるのを誤魔化すためのアニメ的な御約束」の一つに過ぎない。ただ、そこでセーラームーンや今のアイカツシリーズの樣に「よくわからないキラキラのエフェクトの身體」とするのではなく、やけに重厚感のある金属質の身體に變化させたといふところが、「女の子による肉彈戰」といふ當時の新機軸に對する制作陣による「繪的な理由附け」であつたのだらうといふことは想像に難くない。

件の息子氏の抱いた感想を肯ずるならば、やはりあれは必要な描冩だつたのだ。二期に渉るなぎさとほのかのプりキュアによつてジャンルが定着してからはもうそんな繪面的に可愛げのない描冩は必要がないと見倣されたのだらうが、元々さういふ視點は制作陣にもあつたのだ、といふことを思ひ出したのだつた。

靑ブタのこと

歸省から戻つて、録つておいた「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」最終話を鑑賞。

最後の一話でかえでと花楓の折合ひをどうつけるのかとハラハラしてゐたら、その話はそこそこに咲太と麻衣さんの折合ひの話になつてしまつた。戀愛ものとしてはそれが正しいのかもしれないが、ちよつと消化不良な感じがする。これはもう原作を讀まないと一生スッキリしないのだらう。

一生と言つたのは別に大袈裟ではなくて、話數を重ねる毎にアニメはどんどん面白くなつて今や昨年一番面白いアニメであつたと何の衒ひもなく言張れる位には思つてゐる。最初の三話*1も摑みとして良かつたが、次の三話*2の最後で一氣に持つて行かれた。よくあるループものだと最初は思はせておいて、最後に「そこがループポイントかよ」と意表を突かれ、これはどうも油斷ならないぞと身構へる樣になつたのだ。

人物配置もプロットとなるギミックも學園ラブコメライトノベルとしては手垢のついたものばかりで、作品タイトルのベタベタな語感の所爲もあつて最初は殆ど期待してゐなかつたし、第三話の解決を見て「そこまでド直球で來たか」と感心した後の四話目で「エンドレスエイトかよ」と思つた邊りはモチベーション的に危ふかつた。丁度その頃江の島界隈に遊びに行つたので親近感が湧いてその後の視聽には繋がつたが、まだその時は聖地巡禮といふ程には盛上つてもゐなかつたのだ。

yamatotajimaya.hatenablog.com

まだ「Just Because!」のことを氣にしてゐたりして、しかし「Just Because!」と「青ブタ」は原作者が同じだつたのだな。知らなかつた。話が逸れたが、そんなよくあるプロットと道具立てで、しかし内容は中々骨太だ。殊に「これ系」でよくありがちなイタい妹キャラだと思つてゐたかえでの話が最大のクライマックスとして描かれただけに、最後に骨を拔かれた感じがしてどうにも釈然としない。いやむしろ、この取返しのつかない空しい日常感こそが描かれるべきだつた、それは解る。解るんだけども。

そんな訣で、釈然としない氣持の遣り場を求めてラノべ原作に手を著けることにした。アニメを見返しながらしつかり讀まう。

*1:麻衣さんの話

*2:古賀の話

いきなりメタ日記

夏休みの宿題に追はれるが如く、日々の日記をメモを元に後から更新してゐるのだが、日記の日付と現實の日付が乖離する一方で決して縮まることはないため、今年付から一日毎の日記スタイルは諦めることにする。既にはてなダイアリーは廢止が決つてゐて、リアルのこの時期は追付くために氣張って更新もしたのだが、結局間に合はずにはてなブログへ強制移行となつた。そんな訣で、ここから先はざつくり月毎にテーマ別にトピックを分けてペースを飛ばすことにする。メタ日記ここまで。

正月は近所の冩眞を撮り歩いたり、友人K氏と共に神戸に足を伸ばしてまた写眞を撮り歩いた。

2019新春 | Flickr

2019 神戸散歩 | Flickr

近所の方は「外人が撮つてFlickrに上げてさうな仕上げ」を目指した。

色々締括り

「麻衣の虫ぐらし」二巻で完結。

麻衣の虫ぐらし2巻 | 著:雨がっぱ少女群 |ebookjapan

一巻が終活漫畫だと思つたら二巻は百合漫畫だつた。どちらも譬喩ではなく。

アズールレーン」正月イべント艦コンプリート。年が明ける前に終るとは思はなかつた。

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空母に改裝される前の加賀がいいな。聲がかやのんだし。

田舎の風習では大晦日は節分と全く同義*1なので、新暦の大晦日に豆撤きをして厄除けの節分料理*2が出るので子供の頃から正直ちよつと辟易してゐたのだが、最近は母もあまり拘らなくなつたので普通に御馳走。

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鱈場蟹、美味しくいただいた。

*1:元々節分は舊暦の大晦日のことである

*2:鰯の干物の燒物とか精進料理とか

歸省

大阪の實家に歸省。母の膝の手術の後でもあるので島に歸るのは斷念。

歸つたら家に甲類燒酎の大きな未開封ボトルがあつてギョッとした。弟が父にと買つて置いて行つたものらしい。父は大酒呑み*1ではあるが甲類の安酒にだけは手を出してゐない。酒をあまり呑まない弟にはそのへんの機微が分らなかつた樣なので、後でやんはり傳へておいた。

代りに馴染みの店で買つてきた芋の一升瓶を手土産に渡した。

*1:ほぼ燒酎しか呑まない

色々完結

漫畫「レイチェル・ダイアル」。二巻で完結。

レイチェル・ダイアル 1巻 | 皿池篤志 | ebookjapan

ボリューム的に丁度良い時間のスケールで作品世界を魅力的に切取つて描き切つた感がある。實に樂しかつた。

アニメ「色づく世界の明日から」完結。最終話を觀た後、すぐさま第一話の時間遡行の瞬間と最終話の戻つて來た瞬間を繋いで觀てみる。一度はこれをやつておかなくては味はひも半減だらう。

ただ、この間に挾まる道行の行きも歸りも瞳美の意志とはほぼ無關係にただバスに乘せられて移動しただけ、といふ物語の構造になつてゐるのは少々頂けないところだつた。行きはともかく、未來に歸らざるを得ない理由とは別に、歸らなくてはならぬ瞳美の意志が必要だつたと思ふ。未來に歸つた後の切なさも瞳美の選択の結果といふ形であつてほしかつた。

あと、マーケティング的には有得ないことだとは思ふが、本編映像の殆どは瞳美の主觀的な視點としてモノクロームで描冩するくらゐの攻めた姿勢でも良かつたと思ふ。

などと注文をつけたくなる程には毎週樂しみにしてゐた作品だつた。良かつたよ。

テンクロ揃へばルンルンパ

藤田淑子さん死去。自分にとつてはやはり一休さんに代表される少年聲の印象が強いが、何より中學生の頃に聽いてゐた「アニメトピア」第三期*1にゲスト出演された時に自ら語つてをられた、同時期にマライヒ*2・泪姉さん*3・テン丸*4ミーム*5を演じ分けてゐるといふ事實を知つて、聲優さんといふ仕事の凄さを初めて認識したのだつた。

有難うございました。

*1:坂本千夏高橋美紀コンビ

*2:パタリロ

*3:「CAT'S EYE」

*4:「こてんぐテン丸」

*5:ミームいろいろ夢の旅」

オサレ系インディーズ

Nintendo Switch用「Aaero」。

音ゲーなのだがシューティング要素もあり、自機と照準を別々に動かすのに混亂するのに加へてトラップが唐突でわからん内に殺される。ゲームとして面白くしようと工夫しすぎて本來的な氣持良さを蔑ろにしてしまふパターン。ビジュアルのオサレ系にありがちな奴だつた。

TV版パトレイバー

NETFLIXに「機動警察パトレイバー ON TV」が來てゐたので懷かしみながら最初の四話を觀た。

自分にとつての「パトレイバー」はコミック版が第一で、初期OVAはよみうりTVの「アニメだいすき」枠で放映されたのを觀てそれなりに好きではあつたが、コミック版と較べれば何枚も落ちるものであつた。劇場版はよいものであつたが、それは別腹として始まつたTV版は突然現れたボーナスステージの樣なものだつた。

制作がタツノコからサンライズになつて、色遣ひが洗練されて、メカデザインも格好よくなつて、話のノリも概ね輕くなつて、知つてる世界の別の話を樂しめるとあつて、たぶん當時の自分は實際の出來よりも「今TVでパトレイバーが流れてゐる幸せ」に浸つてゐたのだと思ふ。何なら「知つてる話の燒き直し」でしかないグリフォン編に突入すると殘念に感じる程だった。そつちは漫畫で堪能してるところだから、別の話とメカを出せと。

TV版「パトレイバー」は他のバージョンと較べると荒唐無稽の度が過ぎるかも知れないが、「現代社會に大きなロボットが闊歩するアニメ」としては無二の出來だつたと思ふ。押井版は闘歩しないからね。殘りの話數もじつくり樂しまう。

グリッドマン完結

「SSSS.GRIDMAN」最終話を視聽。六花ママはいつバニーガール姿でエレキギターを振囘して「だーいこーんぶいー」と叫びながら怪獸をブン毆るのかと思つて待つてゐたが、そんなシーンは來なかつた。

まあそんな餘駄はさて措き、オリジナルの特撮「電光超人グリッドマン」をちやんと觀てゐた訣ではない自分にとつても面白い作品ではあつたと思ふ。ちやんと話を理解できたといふ自信はないが、あの實冩パートが「本編」へと繋がるものであるだらうといふ想像は出來るし、それを肯定的に捉ヘられる納得力を最大限に發揮すべきなのだらう。

ただ、どうしてもアカネの「美少女無罪」に引張られてしまふ點は氣になるところで、このアカネの役囘りが冴えないオタクの男子高校生、今作で言へば將の樣なキャラだつたら同じ樣に視聽の興味が持續したかは少々怪しいところがある。別に作中でアカネが美少女特權を得てゐた訣ではないから、あくまで作品の外側への作用としてではあるけれども。

自分には爲し得ない、氣附けもしない考察について良いまとめがあつたので、納得するしないは別にしてこれを讀みつつ咀嚼したいと思ふ。

【SSSS.GRIDMAN考察】“物語”についての物語としてのグリッドマン【随時更新】 - Togetter

年の瀬に表れた傑作

Nintendo Switch用「ネコネイビー」。steamで定評のある横スクロールシューティングの移植版。グラフィックは途撤もなく緩いけれど、ゲームはこの上なく練り込まれた傑作。素晴しい。簡單な難易度で初プレイしたら初見でギリギリ全面クリアできた。この絶妙なバランス感覺も素晴しい。上の難易度への挑戦意欲も湧くといふもの。夕方に遊び始めて氣附いたら夜中の三時になつてゐた。

ゼロ年代のゲームと昭和のゲーム

Nintendo Switch用「塊魂アンコール」。PS2用の一作目のHDりメイク。少し遊んだ感じ、當時の特徴的な楽曲や演出がそのまま復刻されてゐて樂しい。降つて來た雀の群れを巻込んで、羽がバタバタしてるのは今見ると少々グロいな。

Switchならではのコダワリ*1操作ではジョイコンの「イイね持ち」による疑似ツインスティック操作が可能だが、兩手を前に倒して前進した状態から左手を手前に引いて左ターンしようとすると逆に右を向くといふ意味不明の擧動により實用的價値は無きに等しい。もうナムコにはゲームを作れる人は居ないのか。今時オートセーブにも對應してゐないし、セーブ操作後に「ゲームを終りますか」と一々尋ねてくるに到つては「PS2のゲームかよ」と呟かずには居られない。まあPS2のゲームなんだけど、それをそのまんま持つて來られてもなあ。

http://pbs.twimg.com/media/DvAH4fOVYAAqd3C.jpghttp://pbs.twimg.com/media/DvAH4f3VsAAF0Nj.jpg

同じくNintendo Switch用「デーモンクリスタル」、これも昔のゲームの復刻版。如何にも當時のナムコタイトーに憧れて作られたPC向けのゲームを作者自らが復刻。對應機種を持つてゐなかつた當時は「ベーマガの廣告でよく見るゲーム」だつた。昔の雰園氣は損ふことなく、セーブ周りはちやんと今時のゲームらしい仕樣に合せてゐる。リスペクトされてゐた筈のナムコが今やあの體たらくなのに。

ちやんとしようぜ。

*1:コダハリ