大和但馬屋日記

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ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータが届いたので鮟鱇鍋をつつきながら收録されたゲームを喰ひ散らかす。

收録されてゐる内、ディスクシステム用だつたゲームがどれも過去に海外用NES版をべースとして復刻された前科のあるタイトルばかりなのでサウンドの再現性に若干の不安があつたが、結論としては杞憂であつた。問題はない。チャンネル毎のボリュームバランスが少し異なる氣もするが、もはやRF接續時の音の記憶も曖昩になりつつある。ディスクシステムについてはディスク挿入前の起動デモやディスクのローディング、A面B面の入換へまでも再現してあつて、今までのエミュレーションの流用でないことが判る。ロード時間の再現は正直要らなかつたな。
RF接續といへば、今囘は畫面の視え方について何種類かから選べて、その中にRF出カによるアナログTVの視え方を再現するモードがある。これが大變よく出來てゐて、ちやんと電波の信號の干渉によるラスタの細かいブレが再現されてゐる。何故かは判らないが、これがあるために目に優しく感じてしまふ。ドットパーフェクトをこそ尊ぶべきが我が信條なのに。
惜しむらくは、音にも干渉ノイズを混ぜて畫面のエネルギーが高い時、つまり白一色に光つてゐる様な時は「ビー」と低周波音が鳴つてゐると尚良かつた。あと、黒い畫面の一部の明るい部分のラスターが樽型に膨んで見えるとか。さういふ高望みをしたくなるくらゐ、畫面の再現性と當時の本體の形を眞似たハードの力が強いといふことだ。
で、その本體であるが、本物のファミコンの六割程の大きさといふことで、體積としては二割強になる計算だ。實際かなり小さく感じる。コントローラーも同樣なので操作性の惡さが懸念されたものの、手に取つてみればゲームボーイミクロと大差ない操作感で特に不都合ではなかつた。ハードはともかくソフト的な遅延はどうしても避けられなかつた様で、「グラディウス」のショット音やパワーアップ音を聽けばボタン入力に對する僅かなレスポンスの遅れは明らかだけれども、まあ遊べない程ではない。感覺的に「かうではなかつた」といふ意識の差を埋められない以上、殘念としか言ひ樣はないけれども。
ともかくも、ゲームを樂しく遊ぶには良い玩具だと思ふ。しばらく遊び込みたい。