大和但馬屋日記

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スクロール方向

さらにネタが提供されてゐる。釣りですか。釣られますとも。

ふとした疑問。横シューは、自機は左から右、背景は右から左に移動するのがお約束になっている。これが左右逆になると、めちゃめちゃやりにくいらしい。というか、事実上プレイ不可能。不可能なのはいいとして、分からんのはなんで左から右なら自然なのか、という事。身の回りで他に左から右っていうと横書きの文章を思い出すけれど、ならばアラブの人たちは右から横シューがプレイ可能なんだろうか。

これは恐らく,「上手・下手」の心理効果が働いてゐるのだらうと思はれます。「じょうず・へた」ではないですよ。「かみて・しもて」です。演劇でも映像でも左(下手)から右(上手)へ動くときに「登場する・目的地へ向かふ」逆方向へ動くときに「退場する・元の場所へ帰る」といふ記号的な説明になるといふものらしく,ゲームにおいてもそれに(たぶん無意識のうちに)従つて「お約束」ができたのではないかと。「パックランド」なんか見事に行きと帰りのフォーマットに則つてますね。
ただ,なぜその「上手・下手」の心理が働くかについてはよくわからない。「心臓が左にあるからだ」といふ説もあるが,さすがにそれは眉唾だと思ふ。
理由は分らないにしても,経験的に「さういふものだ」と感じることでは洋の東西を問はないことになつてゐるらしいので,信じる信じないはともかくとして参考にはなるかと。
文章との関連については,漢字文化は伝統的に右から左に進むのが本来なので,あまり影響はないかも。面白いのは,絵巻物(まさにスクロール)では右から左に進んでいくんですよね。たぶんこれは文章のフォーマットに絵物語を載せたものだからだと思はれます。逆方向に巻かれた絵巻物は存在するのだらうか。
などと考へてみると,「上手・下手」も含めて単なる経験的なお約束,つまりは「馴れ」にすぎなくて,実は根拠もなにも存在しないのかもしれない。さういへば澤井さんは生前「上手・下手」を否定してはりました。
ちなみに,逆方向(左に進む)スクロールのシューティングゲームの代表例として「スカイキッド」があるが,特にこれが遊びにくいかといふと,さうでもない。但し,いはゆる普通のシューティングとはゲームの骨格が異なるので,例へば「グラディウス」や「R-TYPE」と同列に比べるわけにはいかないとも思はれる。
エミュレータに左右反転機能を付ければ,簡単に検証もできるのだらうが。
結局答へらしい答へになつてないな。
プレイ不可能といへば,縦画面・縦スクロールのシューティングの家庭用移植版ではよく「表示だけ90度回転させて,操作は見た目のまま」といふモードが用意されてゐる。縦シューティングの移植につきまとふ画面比率の違ひの問題を解消しつつ,テレビを横倒しにできない人のためのせめてもの配慮といふわけだ。これで見た目だけはあたかも横スクロールシューティングの様に遊べるわけだが,オレにとつてこれは「プレイ不可能」な代物だ。しかし世の中にはこれで「怒首領蜂」をクリアしてしまふ人もゐるかもしれない。ホンマか。