大和但馬屋日記

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俺が引張る話でもないが

昨日のフェラーリ敗戰が何故か心に重く壓しかかつてゐる。マシンは速い。とりあへず極端な弱點がある風には見えないし、メルセデスよりもバランスが良ささうにも見える。ドライバーのスキルも不滿を言ったら罰が當るレべル。それなのに。

前戰バーレーンでタイヤ選擇を誤つて、仕方なくソフトタイヤで無理なロングランをさせたらべッテルが腕で勝つてしまつた。メルセデスを相手に一囘ストップにしたい氣持ちはわかる。それが唯一絶對の必勝法と見込んだまま上海に來て、ロングランテストを重ねた。それあもう、素人目にも手の内を晒しすぎてゐた。バレバレやんけ。そこにレッドブルのつけ入る隙があつた。

レッドブルセーフティーカーにすかさず反應して勝つたのは開幕戦のフェラーリと似てゐるが、違ふのはフェラーリが特段タイヤ戦略にアグレッシブだつた訣ではないといふこと。偶々ピットストップのタイミングにVSCが轉がり込んだだけ。レットブルは今囘、二回のピットストップをどちらも二臺同時ピットインといふ離れ業で成功させてゐる。對するフェラーリライコネンに無駄な周囘をさせてタイムのマージンを失はせ、ボッタスの妨碍役にさせた。つまり、持つてゐたタイムを戦略的に捨てて、勝敗をドテイバーのスキルに委ねた。これが敗因だ。ドライバーのスキルを他車の足を引張る方向に使ふなんて、戰略として間違つてゐる。

レースで勝つといふことをチーム戰略の面から捉へれば、あらゆる手を盡して無駄なタイムを少しづつ削つてライバルを上囘るといふこと。今回、フェラーリはすべての局面でそれと反對のことをした。過去二戰の成功體驗を誤つた方向に活かさうとして、その通りになつて敗北した。フェラーリがこの後何勝してもチャンピオンを獲れてゐる氣がしないのだ。