大和但馬屋日記

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映畫觀賞しぐさ

マジンガーZ INFINITY」と「ガルパン最終章第一話9.1ch」と「この世界の片隅に ULTIRA上映」を觀た。面白かつた。思ふところはまた追ひ追ひ。

上映中の計測行爲などはもつてのほかだと思ふけれども、續くやりとりでマナーが強調されていくのを見ると「ああまたか」とモニョモニョしてしまふ。ネットでよく目にする映畫館のマナーネタに、實際の上映前の注意も含めて「息苦しいなあ」と思ふことも屡々。行儀よくすることに氣を取られて、身じろぎ一つせずに頭を低くして息を潜めてゐると時々馬鹿馬鹿しく感じる。映畫つて我慢しながら觀なきやならんものなのかと。「皆我慢してるのだからさうしろ、それが嫌なら來なくて結構」つていふのが映畫業界の人の言葉ならばもうハイさうですかさやうならと囘れ右するしかない。もはや明らかな笑ひどころでも声一つ上がらないことも多く、正直「何なんだコレ」と思ふ。「好きに振舞ひたいならば家で一人でビデオでも配信でも見とけ」はい御尤も。でもそれは「他人の行状が氣になるならば」と言ひ換へても成立つわけで。

ここ數年は*1以前の自分からは考へられない囘數の映畫を觀てゐるけど、元來映畫好きではなくて滅多に行かなかったのは映畫館の中でジッとしてゐるのがどちらかといふと苦痛だからだし、映畫が好きになつてもそこは變らない。別に傍若無人に振舞ひたい訣ではないが、マナーマナーとうるさい上映前の注意や、マナーにうるさい映畫好きの人たちの壓力にはうんざりだ。「樂しむ」といふことにすら我慢を強ひた末に、樂しい映畫で笑ひ聲ひとつ起こらないのつて、どうなのかしらね。

小さめの劇場で「普通の人」と觀る「この世界の片隅に」はとても樂しかつた。世間で大ヒットしてゐる映畫もある程度はさうだ。「一般人」から半歩拔けて一端の映畫好きを氣取る樣になると「意識高い」感じでマナーマナー言ひ出してネットでさういふ意見が目立つ樣にもなるんだらうけど、映畫に近しい仕事をしてゐる人までがそんなことを言つてゐる樣ではねえ。そんな事をしても客は減りはしても増えないだらうし、空氣の讀めない素人を追出して快適さにふんぞり返るのが目的ならもつと高額にした限定上映でもやつてたらどうですかと思ふ。

客を選ぶ方法なんて幾らでもある。それをしないで注文ばかりつけるのは怠慢といふものだ。

*1:ぶつちやけガルパン以降