大和但馬屋日記

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舞臺の繪面は松竹の上で東映大暴れ

マジンガーZ INFINITY」、これは本放送時の「マジンガーZ」の直接の續編といふことでいいのかな? 子供の頃に見たきりで細かいことなど覺えちやゐないし「スパロボ」勢でもないので特段思ひ入れが深い訣でもないが、それでもグレートマジンガーの超合金を買つて貰つて遊んでた程度に普通に好きだつたので滑り込みで觀に行つた。

一言、面白かつた。まあ大概ベタで驚きのない展開ではあったが、昔のアニメの現代版として嫌味のない内容だつたと思ふ。さやか嬢の「次はうまくやります」宣言などは「プラネテス」のロックスミス博士を思ひ起こさせる。なかなかいいマッドサイエンティストに育つたではないか。かやのんの聲も相埃つて惚れるぜ。人妻だが。

マジンガーのアクションも見應へがあつて良かつた。メカ的に嬉しかつたのは機械獸の軍團がレイバーよろしく基地建設の作業機械として活躍してゐたところで、自分はかういふ描冩のあるロボットアニメが大好きなのだ。逆にいへばそれがないなら何故ロボットなんか出すの? と思ふ。ロボットものの最上位に「パトレイバー」と「∀ガンダム」を置いてゐる身としては大變によかつた。ただ戰ふだけなら戰車でもいいんで、ロボットであるからには牛を運んだり洗濯くらゐはしないとね。さういふ點でこの「INFINITY」はただ必殺技を順に繰出すだけでなく、ロボットらしい手技を味方も敵も存分に見せてくれたので心から樂しめた。

不滿點を擧げるならただ一つ、とにかくマジンガーとグレートのデザインが酷い。全身にヒビが入つてゐる様にしか見えなくて、見た目に美しくないしリアリティも感じない。巨大なメカの手足がシンプルな筒形であるならば、筒形である理由がある筈で、それは「構造の強度を高める」以外になからう。ならば複數のパネルを組合せるにしても、それ全體で一つのパーツと見倣せなければ説得力を感じないし、さういふ構造でないとしてもそれに代る何かを感じない。ただ面を埋める爲に引かれた線。別に昔と違ふから嫌といふつもりはなくて、今までの樣々なアレンジと較べてもただ酷いとしか思へない。

直線べースでデザインされた量産型マジンガーは普通に格好良くて、デザイナー氏の得意な線で造形すれば良いものが出來るのは解る。しかし主役メカ二體とは決定的に相性が惡かつた。そこだけが本當に殘念。

あとはOPの水木アニキの歌について。昨今よく聞く感じの「マジンガー、ズウェエエエエエット」みたいな無駄にクドい力の入れ方をせずに高らかに力強く「ゼーット!」と歌ひ上げてらつしやつたのには感銘を受け、變に身構へてしまつて申し訣ない氣分になつた。素晴しい。