大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

電車と戰車

今日も今日とて茶屋までサイクリング。

「劇場版列車大行進」鐡道の映像ソフトを多數制作してゐるビコム社がイオンシネマと協カして作つた映畫、といふことなのかな。豫告を見て氣になつたので觀てみたら、大變に樂しかつた。長年の蓄積なのだらう、同社が持つてゐる一番いい繪面を惜しげもなく一時間の映畫に詰め込んでゐる樣であり、その上で全體の構成の目配りも行届いてゐるので、「今の日本の鐡道の魅力を知りたいなら、先づこれ一本を觀るといい」と言へる決定版になつてゐると思ふ。一時間の尺の中でこれ以上の内容を誰が求め得るだらうか。

構成だけでなく個々の題材の選び方も上手い。阪急電車三線同時發車、京阪電車複々線區間、品川驛と田町驛の間で京浜東北線が山手線を跨ぎつつ竝走する処など、その路線の格好良さを象徴的に表す場面が的確に選ばれてゐる。「わかってるなあ」と感心するよりも、俺なんかより映畫のスタッフの方が「わかつてる」のは當り前なので、むしろ「俺が格好いいと思つてたところはやつぱり格好良かったんだ」と安心したといふのが本當だ。

列車に乘つて車窓を眺めてゐると、「この瞬間を動畫に殘せたらどれだけいいだらう」と思ふ機會が誰しもあるだらう。この映畫はさうした瞬間の集大成である。非常に良かった。贅澤を言へば阪急京都線特急と東海道線新快速の山崎附近でのレースもあると尚良かつた、くらゐのものか。あそこは本當に凄いけど映像に殘すのは難しさうだ。是非乗つて體驗すべし。ともかくも、大好きなものだけが映つてゐる一時間の映像に浸る幸せを實感。しかも全編沢城みゆきさんのナレーションだ。

電車映畫を堪能した後は戰車映畫を。「ガールズ&パンツァーOVA これが本當のアンツィオ戰です!」と「ガールズ&パンツァー劇場版」二本立て。何度目だ。二十七囘か二十八囘くらゐだと思ふ。今頃になつて岩浪美和音響監督が來館して9.1chセンシャラウンドの調整を行つたといふことでそれを味はひに來た。勿論實に樂しめたのだけど、やはり二十數囘目なので「音響がどうなつてゐるか」にばかりに注意を向ける樣な觀方になつてしまつてゐるのも否めないところで、本當に贅澤なことなんだけど「一年とは言はず、半年前くらゐにこれがあればなあ」と思つてしまつた。…半年前なら囘數的にはあまり變らんか。

音響ではカールや觀覧車先輩などよりむしろ、今までどちらかといふとスルーしてゐた最終決戰の廣場でのパンジャンドラム型回轉ブランコがV2ロケットの直撃で倒壞する場面が凄かつた。四號がその下を潜る時の音響たるや。どこも手を拔かれてないなあと今更な感想。

そしてやつぱりアンツィオ戦が樂しい。カトキハジメ氏のコンテは絶品だ。そんなこんなで乘物映畫を樂しみ盡したのであつた。