大和但馬屋日記

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神に慈悲なし

ガチャを回す時の当選率のわかりやすい表と解説が話題に!「注意事項に貼るべき」「出るまで回せば100%!」 - Togetter
確率の話。期待値の概念を期待値といふ言葉を用ゐずに説明してゐる。實はそんなに解り易く説明されてゐる訣でもないが、要は「千分の一(〇.一パーセント)の籤を千囘引いても、それで當りが出る確率は精々三分の二である」といふこと。これを、「千分の一の籖を千囘引く」といふ挑戰を三囘やれば二度は必ず成功する、と思つてしまふとそれも違ふ。ここにも期待値の罠は潜んでゐるからだ。
確率が無慈悲なのは、確率を司る者、便宜的に神と呼ばう、その神にとつては當りも外れも關係がないところにある。途方もない金を注ぎ込んで籖を引いて負け續けた者は、一發で當りを引いた者と同等かそれ以上に「強運」であるとしか言へないし、さうなる可能性が低いとは言へないのだ。確率の神は誰とも仲良くならないからお近付きにならうとも思はない。ガチャやギャンブルに嵌り易い人は確率による成功を「自カで引いた」と捉へ易い傾向がある樣で、そんな事が有得ないと知つてゐる身からすると何故さう思へるのか解らない。
純粋な韱引きに身を委ねること、例へばスポーツの試合で先攻後攻を決める際のコイントスや「スプラトゥーン」の對戰ステージの決定等の樣な場合と、籤引きの結果を豫想してそれに身を委ねることは同じに見えて全然違ふ。無慈悲な神に身も心も委ねてなるものか。