大和但馬屋日記

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ネットで見たニュースの表題に「米大統領選挙投票まで1週間しれつな戦い続く」とあつて。「しれつな戰ひ」。全然熾烈な感じがしない。「漢字をひらく教」の教義においてはどういふ扱ひか知らないが、組織の方針で表外字を使ふ訣にいかないのなら表外字でしか表せない修辭なぞそもそも使ふ意味があるだらうか。
これを「熾烈」と漢字で書けば音讀できなくとも熱さは伝はるであらう。どちらにも熱さを表す部首が含まれてゐるのだから。ニュアンスを傳へる爲だけの修辭なのだからニュアンスの傳はる字を使へば良くて、音讀できる必要などどこにもない。音讀させようと「しれつ」と書いて何が傳はるといふのか。漢字を伴はぬ「しれつ」といふ言葉にイメージを持てるものがあるか?「しりめつれつ」と何が違ふのか、區別できるのか? どうしても音讀できなければならないといふなら振假名を付ければよい。
文字情報としてどちらが適切かなど考へるまでもないが、本當に何も考へなければ紋切型の「しれつな戰ひ」といふ言囘しをポンと貼付けて仕事が終るといふことだ。樂な商賣である。