大和但馬屋日記

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ゲーム業界のプレスの役割

yms-zun2007-09-26

今日も業界語る。まあ、お題ほど大層な内容ではない。
例のコミュニティパーティの席で、ノートPCを皆で囲んで痛車を眺めてワイワイやつてたら、プレス関係で招待された人も寄つてきてあれこれ話をした。ある人はエンターブレイン社の名札を付けてゐた。その人も「Forza2」のペイントカーのことはよく知つてゐるらしく、実際にゲーム内で作らうとしたこともあるとか。
で、ペインターの誰かが冗談めかして「これを記事にしてくれるんですよね!」と言つたら、プレス氏は頭を掻いて「いやー、採り上げたいのは山々なんですけど、どうしても著作権の関係でねえ」。ま、それはさうだらうな、所詮は二次創作なのだし、とその場では全員納得したのだが、後になつて考へ直してみた。
いや、その理屈はをかしい。
例へばコミケワンフェスにだつてプレスの取材は入る。ディーラーの出展物やコスプレイヤーの写真が雑誌に取材記事として載る。ワンフェスには当日版権があるぢやないかとは思ふけれども、あのシステムが保護してゐるのはあくまで当日に版権物を会場限定で販売してよいといふ金銭授受に関する権利であつて、それ以上のものではないはずだ。
今年日本で発売されたゲームソフトの中で、発売された後から特に話題になつたタイトルを何本か挙げるとしたら、まさかその中に「Forza2」が入らない訣がないだらう。実際に触れたことがある人は極々限られてゐるとしても。さうしたものを、ゴニョゴニョと詰らない言訳をしながら見逃してゐるのがプレスの実態である訣だ。
昔から思つてゐることだが、ゲーム業界における有力プレスは基本的に将来発売されると発表されたタイトルにしか興味がない。発売直前のタイトルのクロスレビューに採り上げられれば御の字で、いざ発売されてしまへばそれはこの世から消えて無くなつたも同然の扱ひを受けるのが常だ。
別に自分の好きな「Forza2」が無視されてゐるからどうかう、といふつもりはない。それは単なる一例だ。それを措いても、パーティの席で聞いた言訳はあんまりだと思ふ。結局彼等は何かを伝へるために存在してゐるのではなく、メーカーの顔色ばかりを窺つてゐる事実が垣間見られたといふことなのだらう。
昔のゲーム雑誌はそんなではなかつたやうに思ふのだが、これをいふとオッサンの繰言にすぎなくなるか。かつて「ログイン」「Beep!」「コンプティーク」等があつた頃*1は、ゲームとその周辺メディアにどんな面白いネタが転がつてゐるかを競ふやうに採り上げてゐたものだつたがなあ、とか。
結論として「雑誌イラネ」となるのも、現状では止むを得ないのではないか。

*1:今もあるぞ、といふ声には耳を塞ぐ