大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

今日は病気なのでリミッターが緩んでますよ

はてなブックマークに問題があるとすれば、それは影響範囲全体(理論的にはWeb上のすべて)にある程度高いリテラシを要求する性質そのものと言える。しかし、これははてなブックマークに限った話ではない。極言すれば、インターネットとはそういうものなのだ。"モヒカンで手斧を持った連中がウロウロしている(モヒカン賊の由来より引用)"場なのであり、平民は尻尾を巻いて逃げ帰るべきだ。そうして世界の片隅に変なテリトリを作り上げてその中だけで通用するローカルルールを敷いて安心するわけだが、そうした楽園は永くは保たない。モヒカン賊のシステムが持続するのはそれが合理的理由に基づいて機能しているからであり、ネット外の慣習をベースとする非合理なルールではそれに太刀打ちできない。一時的には数的優位を確保できるとしても、非合理であるが故に他のコミュニティとも共闘できず、いずれ孤立する。

違ふと思ふ。私はそんな風にモヒカン族だか賊だかを無条件に肯定できない。
モヒカン賊のシステムが持続するのはそれが合理的理由に基づいて機能しているといふのは本当だらうか。合理性を口実に手斧を持つて徘徊することは、その行為が合理的であるかどうかと全く無関係なのではないか。
合理的かどうかに関らず、世の中には「危険からある程度は身を守つてくれるシステム」といふものがある。それは昨日今日出来たものではなく、大昔から人間が作らうとしてきたものだ。今、ネット上にさういふものが未整備なまま放置されてゐて、それに適応できない弱者は狩られるか尻尾を巻いて逃げ去るしかない、本当にそれでいいのだらうか?
道具は道具としてあるだけでその是非を問ふことはできない、その通り。人を殺せるから包丁を売るなとは言へない。ならば、正しい道具の使ひ方を伝へるなり、道具を使ふ上で「越えてはいけない一線」を決めるなりといつたことをしなくて良いのだらうか? さういふ動きがネットの一部で出てきた時に、手斧を持つて襲ひかかるのがモヒカン族とやらの役割だとしたら、本当にそれでいいのか?
モヒカン族」の定義をもう一度思ひ返して頂きたい。それは「北斗の拳」の世界、核戦争後の倫理も何も荒廃し尽した世界の話だ。オレはそんな世界にいつまでも住みたいと思はないし、そのままでいいとは全く思はない。といふか、パロディ元の漫画で「秩序の敵」としていつか主人公に倒される側の存在として扱はれてゐることを踏まへた「モヒカン族」なる概念を何で素で肯定できるのですか。あれはただの「ごつこ遊び」でせう。これはDocSeriさんのことではありませんが、あの辺の遊びを見て「俺つてどちらかといふとモヒカンかもー」とか言つちやふ人には正直目を疑ふ。さういふ人は「ムラ社会」との対比に目を奪はれすぎですよ。世の中に「ムラ社会」と「モヒカン族」しか存在しない様に見せかけてゐるのがあの遊びの真随だとしても、巧妙すぎて騙される人が多い様に思ふ。と、半年前に言つてれば良かつたですね(某氏除け)。
話を戻す。モヒカン賊のシステムが持続するのはそれが合理的理由に基づいて機能しているからといふのが一つの真であるとして、では今になつて「はてなブックマークのコメント欄に問題がある」といふ声が上がり議論になつてゐるといふ事実は、それはそれで真ではないのか。単なる世迷言として捻り潰されるべきものなのだらうか。仕組を作つた者や、それを利用する者に出来ることはないのか。
コメントの閲覧制限や廃止が奏功するとは思はないけれども、特にシステムを作つたはてなに対して、作つた者としての矜持をもつて対処して欲しいと、自分は思ふ。もうそんな期待は涸れつつあるけれど。
さういふ手前は何をしてゐるのかといふ声に対しては、ご存じの通りの実践をしてゐますよ、と(はてブの不使用&自分の記事に対するコメントの取込み)。

反応

「死ねばいi…(ry」「これはひd…(ry」とかでdisることと、モヒカンである事は無関係だと思うんだけど。
どちらかと言うと、「顔が見えないから」「ネット上のことだから」といって、気軽にコメント欄使ってdisっちゃうのは、ムラとかエセモヒとかメタとかなんちがうんかと。

ちやひます。ネット上ではさうした悪意を峻別できないのだから悪意に触れたくなくとも我慢すべきだ、それができないなら去れといふのが「モヒカン的」であるとの主張に異を唱へてゐます。
ついでに、この種の問題に「技術的な手段で解決しようね、自分で」といふのがたぶん一番正しい「モヒカン」的態度でせう。しかしそれを言つて良いのは技術的解決手段を持つ人だけであり、手斧振り回して遊んでる連中ではありません。

何が言ひたいかといふと

  • はてなは技術的に問題緩和を図るべし
  • はてなはコミュニティサービスを一つ増やすごとに専任のコミュニティ管理者を置くべし
  • はてブクマされない権利・コメントされない権利を行使する機会が必要
  • ページ毎のブクマ一覧を?Dに表示する機能(非?D向けにはRSS配信)

ユーザーの自助努力以外にも、いくらでもできることはあるはず。現状で問題なしなどと誰が言へようか。言ひ直すなら、道具としてのはてなブックマークに問題はなくとも、それを運用するための環境整備が全くなつてない、といふことです。

さらに追記

オレは別に「これはひどい」だの「しねばいいのに」といつた「悪口」コメントが排除されるべきだと思つてこんなことを言つてゐる訣ではない。もつと根源的に、すべてのページが「ブックマークされる可能性がある」といふ、ある種自明とされてゐる事実に疑義を唱へてゐるつもりだ。
Googleの検索ロボットさへ拒否する手段が用意されてゐるといふのに、被ブクマ拒否の手段が用意されてないとはどういふ了見か。もちろんMETAタグでロボット除けをしても行儀の悪いロボットはやつて来る。だから根本的な解決には到底なり得てゐないが、それでもGoogleを除けられることで「生存」してゐるサイトは沢山あるはずだ。
そんな風に、技術的な配慮一つでもしかしたら有用かもしれなかつたコンテンツがしやうもない理由で潰されたなどといふ事件が一つでも減るのであれば、コンテンツを潰す可能性のあるサービスにはその出来るだけの配慮をして欲しいと願ふのは間違つてゐるだらうか。
SBMの性質を考へても、ブクマした先のサイトがブクマ故に潰れるなどといふ事態はあつてはならないことだらう。だとしたら、それを避け得る手段については諦めずに研究されるべきだし、日本でのSBMサービスの最大手*1たるはてなにはそれを行ふ義務があると思ふぞ。

大体やねえ(←誰だつけ)

たしかはてなアンテナではロボット除けしてゐるサイトをアンテナ登録しようとすると「ほんまにええのんか」と確認が出たはずだぞ。アンテナを開発した頃にはまださういふ気配りがあつたといふことだ。今それが失はれてゐるのは、時代が変つたからか? 人間、そんなにコロコロ変れるもんと違ふで?

  • 2005年11月23日 facet 『[social][B][*要再考]「何が言ひたいかといふと」←うむ。(最後のだけは保留)』

*1:かどうか知らんけど