スタートでべッテルが前に出てハミルトンは出遅れ、ボッタスの先行も許してしまふ。そしてライコネンもハミルトンに竝び、「あ、これ面子的にぶつかる奴や」と思つたら果してさうなつた。ハミルトンはスピンして最後尾に、ライコネンには十秒のペナルティ。
豫選ノータイムのハートレイはピットからスタートして一周でリタイア。フリー走行の、ブレーキング時にフロントサスが捻じ切れるといふヨッヘン・リントの死亡事故を想はされる樣なトラブルがあつてから散々である。
ルクレールがタイヤ交換作業のミスでリタイア、エリクソンが一コーナーでクラッシュ。ザウバーが全滅。エリクソンの事故によるセーフティカ一のサインが出た瞬間、スタンドが沸きに沸いた。それもその筈、ハミルトンが三番手に順位を囘復した。
セーフティカーが解除されてライコネンとフェルスタッペンが激しいバトル。後方、コプスの進入でサインツとグロージャンが接觸、またしてもセーフティカー。あそこは竝んで入つたらあかん。久々にグロージャン砲が火を噴いた。
二度目のセーフティーカーが明け、リーダーボードの下の方が死屍緊々であるが、上位四壹が息詰まるバトルを繰擴げ、ベッテルがボッタスを綺麗に拔いた。フェルスタッペンは單獨スピンでリタイア。タイヤに苦しむボッタスはハミルトンに順位を讓り、ライコネンには拔かれ、リキアルドにも追撃を受ける。タイヤ戰略でしくじつたね。
べッテル優勝、ハミルトン二位、ライコネン三位。スタートで絡んだ二臺が共に表彰臺に乘つた。ライコネンはインタビューで全面的に自らの非を認めたがハミルトンとは目を合せず險惡な雰園氣に。まあさういふこともあつて尚、イギリスGP史に殘る樣な樂しいレースであつた。