大和但馬屋日記

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歴史的假名遣も正漢字も、それまでの文献資料を精査して研究した末に體系的に纏められた學問上のある時點での成果である。現代假名遣と當用漢字(常用漢字も)はそれらを基にしつつも政治的な意圖で以てそれらを摘み喰ひし、體系を根底から歪めた學問的に不整合な點の多い代用品である。これらは單なる事實。
少し前から重い腰を上げて正漢字を使ひ始めた。どれが略字でどれが正字かも俄かには判らないから、今は殆ど全ての漢字について一々調べながら手で書いてゐる。だから筆が進まない。「私の國語教室」一冊讀むだけで概要を理解して實踐できる歴史的假名遣ほど樂に使ひこなせるものではない。
しかしながらかうして一字づつ調べて手で書いてみると、戰後の漢字制限が如何に粗雑に漢字の持つてゐた體系を破壊してしまったかが正に手に取る樣に解るので面白い。假名遣を改めたのも知的好奇心の赴くままなのであり、漢字も畢竟面白いからさうしてゐるのだが、さうしてゐるとやれ中二病だの懐古病*1だのと後ろ指を指して惡ロを言はれる。ホンマに、アホやなあ。
手書きでなく便利で賢いATOKだのGoogle日本語入力だので勝手に變換してくれたつてそんな面白さを微塵も味はへる訣はないので、俺は手書きで日記を書く。

*1:ノスタルジアは病名である