大和但馬屋日記

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今日は気が動転して仕事が手に著かなかつた。
任天堂岩田聡社長逝去。いや、さうぢやない。「バルーンファイト」「マッハライダー」「ピンボール」「ゴルフ」「星のカービィ」、そして「空中要塞エアーフォートレス」その他数へ切れない程沢山のゲームを手がけた、ゲームが好きで好きで堪らないゲームプログラマーが逝つた。「ゲームセンターCX」で御本人が有野課長に話してゐた、社長業を辞した後に作つてみたかつたゲームを楽しく遊ぶといふ老後のささやかな楽しみが叶はなくなつてしまつた。酷いぢやないか。この先何を楽しみに生きればいいのか分らなくなつた。
家に帰つて3DSWii Uバーチャルコンソールの「バルーンファイト」や「星のカービィ」、「マッハライダー」「ピンボール」「ゴルフ」などを買ひ漁つた。ファミコン実機もカートリッジもあるけれど、すぐに遊べる状態にはないのだ。

バルーンファイト」のこの手触り、浮遊感。社長業やプロデューサー業とは違ふ、氏の「直接」の手触りである。電撃に当つてシビれた時、魚に喰はれた時、そして風船を連続で割つてシークレットボーナスを獲得した時。その一々で会つたこともない岩田氏と「直接」話ができた気がした。こんなに明るくて楽しい、大好きなBGMを聴きながら、ボロボロ涙を流して遊んだ。「バルーンファイト」を泣きながら遊ぶなんて何の冗談だ全く。「エンディングまで泣くんじゃない」ぢやねえよ。
ピンボール」。俺の大好きなデジタルピンボールへの興味を引く「直接」のきつかけとなつたゲームだ。これを契機にPCの「David's Midnight Magic(名作!)」やテーカンの「ピンボールアクション」に目覚め、下つて現世代のシミュレータを味はひ尽した後にこのファミコン版「ピンボール」に改めて触るとただ粗削りとしか言ひ様がないけれども、しかしこの「ピンボール」が後のHAL研の傑作「ポケモンピンボール」に結実したと思ふとやはり侮れない。
マッハライダー」は氏らしからぬ何ともザラザラした手触りのゲームで、まあはつきり言へばクソゲーだ。クソゲーなんだが、今日のこんな気持でもゲラゲラ笑ひながら遊ベてしまふ。不条理の塊の様な操作系とレべルデザインの癖に、馴れれば結構先に進めるのだ。当時の任天堂ブランドらしからぬ殺伐としたグラフィックとサウンドも不思議な味はひだし、コースセレクト→ステージ開始メッセージ→ゲームスタートまでのBGMの繋がりの良さが齎すスムーズな流れのテンポ感も今の時代には為し得ないものだらう。

最後に「スプラトゥーン」でくだらないMiiverseの投稿をして、タチウオパーキングの屋上から制服を着て弔砲代りのホットブラスターを打上げた。人真似だけどやらずには居られなかつた。

本当に、本当にありがたうございました。