■ [GP][2008][brazil]2008年第18戦ブラジルGP決勝
国際中継のアイキャッチが流れ、放送が始まった途端に雨。スタートが十分遅らされることになった。スタンドから歓声が上ったのは、やはりマッサにチャンスが来たと皆思ってるということかな。
天候が変ったということで若干のセッティング変更が認められる。
雨はすぐに降り止んで、三十分間は降らないとの予想。フェラーリは、マクラーレンは、どう動くか。
フォーメーションラップは全車スタンダードウェット。ウェットレース宣言はされていないのでスタートは通常のスタンディング形式。クビサはピットスタート、ドライタイヤに賭ける。
スタート、上位は順位そのままで慎重にS字を抜ける。クルサードが何台かと絡んでストップ。これでセーフティカーが出る。クルサードはF1最後のレースを一周も出来なかった。ピケも単独クラッシュでリタイア。
コバライネンがセーフティカーまでに随分順位を落した。フィジケラはピットイン、ドライに変更。
五周目、レース再開。
ライコネンが巧くハミルトンと差をつけてマッサを援護。トゥルーリ渋滞に付合ってハミルトンの順位を落す作戦かと思ったが、トゥルーリを攻め始めたな。そこまでやる義理はないってか。
八周目から続々ピットインするマシンが。バトン、ロズベルグ、中嶋、ス一ティル、グロック、ブルデー。そしてベッテル、アロンソ、ウェバー、バリチェッロ。上位以外は全てドライに換えた。
十周目、マッサがピットイン。これは軽めで予選を戦ったマッサにとっては理想の展開。マクラーレンは先にコバライネンを入れた。十二周目、トゥルーリ、ライコネン、ハミルトンが入り、全車ドライに変更。
トゥルーリがS字でミスして九番手へ。ハミルトンは一つ得をした。しかし正念場だ。あと一つ前に出ないとチャンプになれない。
十八周目、ハミルトンがフィジケラを捉えて五番手に浮上。濡れた一コーナーで滑りながらのオーバーテイク。ヒヤヒヤするが、これはいいファイトだ。
ライコネンはやはりハミルトンの壁になる気か。
問題はマッサ。速さに不安はないものの、直後のベッテルがファステストの出し合いで迫る。いや、これマジで抜かれそうですよ?
二十一周目、トゥルーリがブルデーとバトル。ブルデーがS字で弾き出されて大幅後退。
二十八周目、ベッテルがピットイン。予想より早かったか。川井氏によると「マッサに付合うのを嫌がって先に入ったのかも」。アロンソにもそれを示唆する様な無線が飛んでいる。ウェットスタートの為にドライタイヤの交換義務が消滅して作戦が読み難くなってもいる様だ。
三十五周目あたりからマッサのペースが良くなって、後続との差を大きく拡げ始めた。勝利を確実にしたい。三十九周目、二度目のピットイン。長めの給油で最後まで走りきる。残り三十三周。
四十一周目、アロンソとハミルトンがピットイン。どちらも最後まで走りきる模様。結局、ベッテルだけ軽いタンクで飛ばしてたってことか。
四十三周目、コバライネンとハイドフェルド、そしてライコネンがピットイン。
四十九周目にウェバーがピットイン、残るはベッテルだけか。
五十二周目、ベッテルがピットイン。ハミルトンの後ろ、五番手に復帰した。何事もなければこれで順位は確定だろう。最後に運命の悪戯があるかどうか。
画面が天気レーダーを映し出した。アロンソに「雨かも」の無線が飛ぶ。残り十四周。クビサには「十分後に降るよ」との情報。スパの再現か?
川井氏が「稲妻が見えた」。観衆がざわめき始めた。あと十一周。
ハミルトンへの牽制をやめたライコネンがアロンソを攻め始める。
残り七周、ホームストレートに雨? ハミルトンがテールランプを点灯させた。中嶋、フィジケラ、ハイドフェルド、バリチェッロ、バトン、ロズベルグ、ブルデー、クビサ、コバライネンがピットイン。
残り五周、アロンソ、ライコネン、ウェバー、ハミルトン、ベッテルがピットイン。そしてマッサ。
グロックがドライのまま残りハミルトン五番手。そしてベッテルがハミルトンを攻める、攻める。これは最後まで分らなくなった。チャンピオンを決定するのはベッテルだ。
そして残り二周、ハミルトンがミス、ベッテルが抜いた!
マクラーレンとフェラーリのピットが緊迫する。ファイナルラップ。
マッサ優勝。このまま決まるか?
しかし最終コーナー、四番手グロックが失速、ハミルトンが五番手に浮上した。最後の最後に、ハミルトンのチャンピオンが決定。
いやー、なんたる演出か。歓喜に沸いたマッサの家族が事実に気付いて落胆する瞬間をカメラが捕えてしまった。これは切ない。ウィニングランで泣きながらピットに感謝を伝えるフェリペ。これは可哀想だ。
表彰台にはマッサとアロンソとライコネン。チャンピオンの姿はなく、涙を堪えるマッサ、不本意な奴にチャンプを獲られたアロンソ、デフォルトのライコネン、全員の表情が固いのが印象的だった。
今日のレースの主役は間違いなくマッサだろう。フィッティパルディ、ピケ、セナに続く地元ブラジルのヒーローになったんじゃないだろうか。
レース結果はマッサ、アロンソ、ライコネン、ベッテル、ハミルトン、グロック、コバライネン、トゥルーリまで入賞。完走十八台、凄いレースだったね。
ともあれ、ルイスおめでとう。チャンプの器にはちょっと早いとは思うけど、俺は嫌いじゃないよ。これからじっくりと貫録を身に付けてほしい。そして、いつか改めてアロンソとちゃんと決着をつけてくれたら嬉しい。その時、ルイスの側のファンであれたらと思う。
今年はいいドライバーが沢山芽を出した。来年のクビサやベッテルの活躍が楽しみだ。
チャンプ争いという観点では正直グダグダなシーズンだったが、それもこの最終ラップのための布石だったと考えれば、悪くなかったんではないかな。
ではまた来年。