■ [GP][2008][italy]2008年第14戦イタリアGP決勝
雨。セーフティカー先導によるスタート。
中嶋とバトンはピットスタート。
セーフティカースタート、ブルデーがグリッドを離れられない。スターターでもかからず、ピットへ押戻される。
三周目、セーフティカーが抜けて事実上のレーススタート。トラブルなく全車第一シケインを通過。
四周目、アロンソがグロックをパス。クルサードもフィジケラを捕えた。ハミルトンはライコネンに仕掛けるが失敗。アロンソはやっぱり巧い。
フィジケラvsライコネンvsハミルトン。熱い熱い。九周目、一コーナーでライコネンがフィジケラを捉えた。ハミルトンはどうか。フィジコも雨は強いぞ。しかしパラボリカの立上りで詰め寄られ、十周目にハミルトンが前へ。
ベッテルは快調に飛ばし、コバライネンに七秒近い差をつけている。予選の時から雨用のセッティングに賭けていたとしか考えられないな。すばらしい。
十二周目、ハミルトンがライコネンを抜いて十一番手に。
十三周目、マッサがロズベルグを抜いて四番手に。ちょっとショートカット気味だが大丈夫なのか。
フィジケラがクルサードに追突してフロントウィングにダメージ。パラボリカのブレーキングでウイングが粉砕、当然ターンインできずにタイヤバリアに刺さって終了。地元レースなのに残念。
ベッテルはコバライネンに十秒以上の差をつけている。十五周目、マッサがファステスト。路面が大分乾いてきてタイムが底上げされている。そろそろエクストリームウェザータイヤでは厳しいかも。
十七周目、バリチェッロがピットイン。タイヤをどうしたか映せよなあ。
十九周目、ベッテルがピットイン。引続きエクストリームウェザーに交換、四番手でコース復帰。近い内に再び雨が強まるという読みで全チーム統一されている様だ。
二十二周目、雨が来た様だ。コバライネン、ウェバー、マッサの上位三台がピットイン。コバライネンは短い給油時間で前をキープ。
ハミルトンがベッテルの後ろ二秒弱まで迫る。これを気にしてか、トロロッソのピットからベッテルに「ハミルトンはあと三周でピットに入るよ」と連絡。川井氏が「何でわかるんだ?」と訝んでいるが、これは単に「もし仕掛けられても慌ててミスするな」という意味だろう。
二十七周目にトゥルーリとライコネン、二十八秒目にハミルトンがピットイン。トロロッソの読みが当ってコメンタリ陣大騒ぎ。内通者説まで飛び出した。あほか。
二十八周目にクルサード、スタンダードウェットに交換。いよいよタイヤ選択が勝負を分ける段階に来たか。ベッテルとコバライネンの差は十二秒半。
三十一周目、アロンソはスタンダードウェットで燃料もたっぷり積んだ。
三十四周目にマッサ、グロック、ロズベルグが二度目のピットイン。いづれもスタンダードウェット。
三十五周目にクビサ、コバライネン、ウェバー。クビサはこれが初めてのピットイン。
三十六周目、ウェバーがアスカリでスピン。冷えたスタンダードはこれが怖い。ライコネンとトゥルーリがピットへ、そしてトップのベッテルも二度目のピットイン。ピットクルーは最後の仕事を完壁にこなした。行ける!
ピケも三十七周目にピットイン、これで一回ストップ。えらい引張ったな。
ベッテルとコバライネンの差はおよそ十秒。アロンソ、ハイドフェルド、マッサが一秒以内のバトル。
ベッテル、さらにヘイキを離す。すげえええ。ドライ方向なら差が詰まりそうなもんなのに。
ハミルトンがマッサとの差をぐんと詰めて集団に追着いた。マッサは挙動が怪しい。
トップ集団で一番速いのがベッテル。これはもう堅い。あとは、ミスするな。
残り九周、ところどころ路面が乾いてきたところでバリチェッロとスーティルがピットイン。ドライに換えたのか? バトンもピットイン。残り七周。ウェット組はタイヤを冷やすラインを選んでいる。
ライコネンがファステストを連発。ウェットでの限界タイムに達してきているのか。ドライのバトンが近いタイムになっている。残り五周。
ウェバーとハミルトンがホイール同士を接触。ヒヤッとしたがアクシデントには至らず。
残り三周、パラボリカで中嶋がクルサードをアウトから抜こうとして接触。クルサードのフロントウイングが落ちた。クルサードはピットで修復。マッサが落ちたウイングを踏んだ。危ないなあ。
五十三周のレースを完壁に、これ以上ないくらい完壁にこなして、セバスチャン・スーティルが自身初、トロロッソチーム初、そして史上最年少記録を更新しての優勝を遂げた。
二位コバライネン、三位クビサ、以下アロンソ、ハイドフェルド、マッサ、ハミルトン、ウェバーまでが入賞。完走十九台、歴史に残る雨のモンツァだった。
パルクフェルメの一番にトロロッソのマシンが停まる。溝のなくなった左フロントタイヤに「よく耐えてくれたね」と感謝を示す仕草。ドイツ国歌に続くイタリア国歌が懐かしいが、これがフェラーリの為でないなどと誰が思っただろう。表彰台でコンストラクターのトロフィーを受取ったのは協同オーナーのゲルハルト・ベルガー。ちょうど二十年前のここで伝説を作った悪戯男が、最高の悪戯を仕掛けてみせたってところか。
いやもう楽しくて楽しくて仕方ない。もうチャンプ争いとかどうでもいいじゃんよ、という気分だ。
驚いたのは、共同記者会見用の上っ張りをトロロッソでもちゃんと用意してるんだなー、ということ。使う機会があって良かったなあ。
次はまた初開催となるシンガポールGP、これもF1史上初の夜間レース。個人的に不安は拭えないが、さてどうなる。