大和但馬屋日記

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国の責任の取り方

霞が関官僚日記:カイワレ裁判についてでエリート官僚氏が難しい難しいと歎いてをられる様子だが、判決文を斜め読みした限りでは妥当な判決だし、以後同様の事件が起きた時に国が取るべき行動も明かだと思ふ。
判決の骨子ははかういふことだらう。

  • 中間発表自体は間違つてなかつた(被害の拡大防止にそれなりに役立つた)
  • でも、結果的に貝割業者だけが割を食ふことになつたのはやりすぎだつたから、その責任は取れよな

つまり、国のやつた事が全て間違ひだつたと評価された訣ではないと思ふ。あの時はああするしかなかつた(他に策が無かつたかどうかは知らないが、取り得る策の中での最悪手ではなかつただらう)、でもそれによつて起きた事に対して全く無責任ではゐられない。それは当り前のことぢやないのかね。

こういう場合に業者に補助金出せばいいのか。政治的にフィージブルでないような気もするけど。

フィージブルつて何だ? 訣の分らん横文字禁止。それはさておき、これを判例として以後「当該業者に補助金を出しつつ、その業者にとつて不利な発表を敢て行ふ」といふ国の行動が求められるやうになると解釈されるのであば、それはとんでもない誤りだらう。
今回はあくまで「結果的に」貝割業者の風評被害を招いてしまつた。次はどうなるか分らないが、風評被害を恐れる余り対応が後手に廻るやうでは良くない。時に拙速と言はれる様な手を取らざるを得ないとしても、その妥当性の評価は事が済んでからすれば良いことだ。
今回の判決を受けて、「ぢやあどうすれば良かつたんだよ!」と逆切れするのはそれこそ一番間違つた態度だと思ふな、オレは。裁判に負けるといふことに敏感になりすぎ。敏感にならざるを得ないほど判例主義が強固なのだとしたら、そつちの方が余程をかしい。