大和但馬屋日記

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yms-zun2011-02-02

re:[id:usui_soup:20110202]
ちょっとそこに座りなさい(以下、尖つてゐれば良いといふものではなく、かつ昨年のヴァージンが云々と説教)
それはさておき、ルノーのカラーリングのダサさについては全く同意で、そのセンスのなさには呆れ返るばかりなのである。これが、「あの」ベネトンを称したチームの成れの果てかと思ふと涙も涸れ果てようといふもの。因みに、昨年のタイガースカラーは嫌ひではなかつた。
この「JPSっぽい」カラースキームの、ではどこが駄目かといふと、それあもう「本当に金色を使つてしまつた」といふ一点に尽きる。全体の配置も酷いものだけど、でもやつぱり金色が駄目だ。
かつてのJPSロータスの、一見「黒地に金」に見えるカラーの「金色」部分が、実はただのベージュ色だつたといふのはよく知られる話。では何故そんなことをしたかといふと、別に当時の塗装技術で金が塗れなかつたからといふ訣でもなからう。どんな光線下でもサーキットで最も映える色、といふ視覚効果を狙つてさうしたに違ひないのだ。メタリックな金の塗装は、光線の状態が悪いとすぐに暗く沈んでしまふ。曲面の形状で光沢の具合が変るから、一枚の写真の中でも色の見え方が一定しない。随つて、「必ず格好良く見える」といふ計算ができない。黒地の中のラインに金を使ふなんて、下の下だ。
もちろん、タバコのパッケージはそれでもいい。それは手に取れる「実物」だからだ。F1マシンのカラーリングはその模倣であり広告であつたから、どんな条件下でも「オリジナル」たるタバコを想起させる必要があつた。JPSロータスのカラーリングは、そのために極めて緊張感の高い仕事を成遂げてゐたと思ふ。それがあのキャメルカラーに変つた時に、チームロータスは既に死んでゐたのさ。同じ会社のタバコブランドで、何故ああも酷くなるかね。
今のロータスを僭称する元ルノーチームが施したデザインが何かといふと、「タバコを模した広告のカラーの真似をした、何を表してゐるのかを本人達も理解してゐない意味不明な色」でしかない。そんなん、格好いい訣がないぢやないか。カラーリングに関してだけ言へば、もう一つのロータスを僭称してゐるチームの方がよほどマシだ。少なくとも彼らは自分達が何の色を纏つてゐるのかは自覚してゐるだらうからだ。