大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

あなたのお気に入りハヤカワFT文庫

id:adramineさん経由,あなたのお気に入りハヤカワFT文庫
SFを読むより先にFTの方ばかり読んでゐたのはそもそも温帯のおかげといふのが今となつてはまあアレだが,読んだ中で今でも忘れてゐないのは下記五点のみかな。

  • FT085「プリンセス・ブライド」ウィリアム・ゴールドマン(86)*1
  • FT101「ムーンフラッシュ」パトリシア・A・マキリップ(87)*2
  • FT115「ムーンドリーム」パトリシア・A・マキリップ(88)*3
  • FT155「光と闇の姉妹」ジェイン・ヨーレン(91)*4
  • FT157「白い女神」ジェイン・ヨーレン(92)*5

見てわかる通り,マキリップの二冊とヨーレンの二冊はそれぞれシリーズもの。「ムーン〜」は作者がマキリップでなければハヤカワSFで出版されてゐるはずのジュヴナイルSFである。マキリップといへばサイベルだろと世の人は言ふだらうが,そちらは短編でしか読んでない気がする。後者は悪の領主を倒す女戦士もの。個人的に萌え度が極めて高かつた。といふか,物語の構成に工夫があつてそこが面白かつた。実際の物語と,歴史として残る史実と,後世の伝承との対比。中で語られる筋書はそれほど意外性はないけれど。ジェンダー論とかフェミニズム云々は,まあおいとかう。
「プリンセス・ブライド」は映画にもなつたな。といふか,映画のノベライズ? まあ,どちらでもよい。小説のとにかく人を食つた描写に笑ひ転げた。ハヤカワの裏表紙の常套句に「抱腹絶倒の新感覚ファンタジー」みたいのがあるが,本当に抱腹絶倒と呼ぶに相応しかつたのは後にも先にもこの一編のみ。映画は普通につまらなかつた。アンドレ・ザ・ジャイアントの出演が売りでは,ねえ。
他にもいろいろ読んだけど,いつの間にかジャンルそのものに飽きて読まなくなつてしまつた。最近の鶴田謙二が表紙を描いた奴とか,買つてみて途中で放り出してばかりゐる。表紙買ひはやめよう。