大和但馬屋日記

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ミラーに映る相手を嗤ふ周囘遅れ

「フィクションにおけるジェンダーの扱ひに關してはアメリカの方がよつぽど遅れてるよね」なんてツイートまでが目に入つて溜息しか出ない。ハヤカワや創元が八十年代以降に日本語訳で出したSF・ファンタジーに限つてもジェンダーフェミニズムやマイノリティ問題に斬込んだものが相當數あるといふのにね。SF小説なんていふサブカルチャーの分野で一大ジャンルを成す程度にさういふものがあつたのは、社會的にさういふ問題を抱へてゐてそれに自覺的であるからに他ならない。マーベルの漫畫だけがアメリカのサブカルチャーだと思つてんだらうが、そんな訣があるか。
そんな認識だから戰隊の中に紅一点のメンバーがゐてそれが二人になつたりリーダーを勤めたことがあるといふ程度のことで冒頭の様なことを拔かす。そんな痩せた土壤に生煮えのジェンダー論を投げ込んでも當然まともな議論に育つ訣もなく。日本社會も當然同種の問題は抱へてゐるが無自覺でゐられる樣に皆で目を背けてゐる。