大和但馬屋日記

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心の鑑

日本人は何故『この世界の片隅に』いながら「あの時代」を追体験しようとするのか - Togetter
穿つた貝方は作品だけでなく己れの見る目までをも傷つける。作中の晴美ちやんとほぼ同年代の父は映畫を見て自分の體驗をポツポツと語つてくれた。マイマイ新子と同年代の母は庖丁を使ひながらその手を止めることなく後ろを向いて家族と話をする。手許を注視しないと野菜ひとつ切れないであらうこの人とはスキルのレベルが違ふ。子供の頃から短刀を持歩く時代の人を何だと思つてゐるのか。かういふのは杓子を定規の代りにして作品を引叩かうとする剩りに自分の頭を叩いてゐる。作品に對する反應は見る人の心をそのまま映し出す。この作品が空つぽだといふなら、それはさういふことなのだ。
すずさんと同年代の祖母に見せたかつたなあ、といふのが心殘り。