大和但馬屋日記

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yms-zun2014-03-08

映画「モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE - 亜空の深淵」を観た。
TVなら四〜五話を費して語られるであらう一エピソードを映画化した体裁。良くも悪くもさういふ出来。TVで言へば丁度「黄金の幽霊船」くらゐの感じかなあ。どちらかといふと、こちらをTVでやつて、TVの最終章を映画にした方が盛上りとして丁度良かつた様に思へる。
話として見た場合、茉莉香さんが老成しちやつてて、悩まないし迷はないし彼女が決めたことは全て正しくて失敗もなくて、彼女達を邪魔する馬鹿な大人には必ず失敗が約束されているといふ図が話運びのための文法ではなく「この作品世界での黄金律」として成立してしまつてゐるのが気になつた。サトタツ作品を観てゐるつもりが「サトジュン作品だつけこれ?」と首を傾げてしまふ様な。個々のシーンの描写には文句はないけれども、ちよっと茉莉香さん強まりすぎたな、と。
クライマックスに「これをやつたら時空がどうかなつてしまつて宇宙が大ピンチかも」といふ逡巡が仕込まれて、その決断に茉莉香が改めて直面するみたいな感じになつてれば良かった気がするが、話の中盤で「決断すること」について答を出してしまつてるからね。大きな話があまりに淀みなく流れてしまつたなあ、と勿体なく思つたのだった。
バルバルーサと合体したオデットIIは格好良かつた。もう少し活躍が絵に描かれて欲しかつたところ。
あと、全体的に絵が堅くなっちやつたなあ。適度な緩さで良いと思ふのだけどね。
面白かつたんだけど、今ひとつ「すげー」つてところがなくて残念だつたかな。でもそれはTVの方で「やりすぎた」故の贅沢なのかもね。