ニンテンドースイッチに「ストライカーズ1945」と「ソニックウイングス2」が同日配信された。「ストライカーズ1945」はゼロディブから、「ソニックウイングス2」はNEOGEOタイトルなのでハムスターから。特に示し合せたものではない樣だが、奇妙な巡り合せもあつたものだ。
京都のビデオシステムからアーケード版「ソニックウイングス」が發賣された後、しばらく經つてから導入された「戰國エース」を初めてゲームセンターで遊んだ時には、彩京といふ見慣れぬメーカーだつたこともあり「何だこの『ソニックウイングス』のパクリは」と思つたものだつた。現用戰闘機をモチーフにした「ソニックウイングス」と見た目こそ全く異なるけれども、基本的なゲームの構成からパワーアップアイテムの畫面内での滯ひ方まで、遊べば遊ぶ程兩者は「同じ」としか言ひ樣がないくらゐよく似てゐたからだ。
それもその筈、ビデオシステムで「ソニックウイングス」を作つたスタッフが獨立して興したのが彩京で、そのデビュー作として名刺代りに手馴れたスタイルの「戰國エース」をリリースしたといふのが眞相だつた様だ。そして、後に「ガンバード」を挾んでリリースされた「ストライカーズ1945」はちよつと昔の戰闘機をモチーフとしてをり、見た目からももはや事實上「ソニックウイングス2」と呼んで差支へないものだった。モチーフの時系列で言へばむしろ「ソニックウイングスゼロ」とかそんな感じのやつだ。
一方、ビデオシステムからは本家の續編として「ソニックウイングス2」が、NEOGEO向けにリリースされてゐる。畫面が横置き固定になつたこともあり、そもそもNEOGEOでシューティングを遊ぶ層もそんなに居なかつたので、 「ストライカーズ1945」よりずつと前に存在したにも關らずあまり話題にはならなかつた。「ストライカーズ」がそれだけで後に一つのジャンルを形成する程に成長したのとは對照的だつた。
そんな遠い親戚の樣な二作が、同じ日に同じプラットフォー厶向けに別々の會社からリリースされたといふのは、何とも時の流れの妙を感じる話ではないか。