大和但馬屋日記

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これも一つの射幸心?

日本のカジノ問題の専門家の人がなか卯で貰つたコラボ企劃のアニメのカードに文句をつけてゐる。謂く「こんなもん出すなら他の顧客還元を考へてくれよ」「通常メニューにかういふの付加しても既存顧客には逆效果」。何を言つてゐるのやら。

まづ、要らないなら斷れば良い。カード代金を喰べたカレー代に上乘せされて請求された訣でもあるまいに。俺なら要らないおまけは斷る。さうすれば他の欲しい人に囘るのだし。コンビニでスピードくじの箱を差出されてもまづ間違ひなく斷る。自分の用は既に濟んでゐるのだから、それ以上の物品もサービスも求めてなどゐない。貰はなくても全く損はしてゐない。

次に、そもそもこれは顧客還元などではない。飲食店がコラボと稱して物品を差出すならば、その物品のコストは飲食店が負擔してゐるものではなからう。アニメグッズならばアニメの版元側が金を出して作つて配布してゐるに決つてゐる。勿論新規の客寄せの爲に、カレーを喰つて滿足した人ではなく、カードでもなけりやカレーもうどんも親子丼も喰ひに來ない人の爲にだ。

何より、たかがなか卯で瑣末なカードを寄越されたくらゐで「もつと常連を優遇しろ」と噴上るそのさもしさである。自分で本を出せる様ないい大人がファストフードで常連面つて、それああんまりだらう。要らないカードを貰つたことで射幸心が傷つけられたのかどうか知らないが、仕事として扱つてゐる問題に對してあまりにしやうもないレベルのことで噴上がれるものだな、と思つた。見方を變へれば、さういふ處に損得を感じる心を利用してゐるのがその手のサービスであり、そこを肥大させたのがカジノなりギャンブルなのであらうな、とも。「奴らはサービスすると言つたのに俺にとつてはサービスとは言へない! 何か損した氣分だ!」。かういふことだ。實にくだらない。

俺は昔作つたファミマTカードをハサミで粉碎して捨てた。ポイントカードの類も持歩かない。自分に關係のない處で勝手に呉れたり失くしたりされるもののことなど知つたことではない。欲しい物が手に入るならそれが多少割高でも氣にしないし安いものを探して時間や勞力を割く氣もない。途中で誰かが儲けてゐたつて構はない。心根の貧しくなつた世の中でそれに染つてゐたくはないのだ。懐は寒いままだけど。