大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

昨日のサイクリングのメモ。
朝九時に家を発つ。今回はリアキャリアなしの軽装、工具も持たない代りにウエストポーチに輪行バッグだけぶら提げておいた。何かあつたらこれで帰ればよからう。カメラは少し迷つてDP1を背負ふことにした。DP3 Merrillにしておけば良かつたときつと思ふだらうが、逆にすれぱ逆のことを思ふに決つてゐる。夏は冬に憧れて冬は夏に帰りたいのである。
海岸線を求めて南下、海際の一番走り易さうな道路は残念ながら自動車専用道なのでその近くに沿つた道を走る。埋立地と専用道と私鉄線路と運河に狭まれたよく分らない区間は地元の学校のランニングコースにもなつてゐる様だつた。そこから埋立地に逸れる橋の上から開けた干潟が見えた。その向うには風車。風がそこそこ強くてよく回つてゐる。なるべくシャッタースピードを落してその様子を撮りたいと思つた。

海岸に戻つて南下を続けたら前方に空港が見えてきた。空港島に渡らうかとも思つたが入れるかどうかもよく分らないので今回はパス。めんたいパークとやらがあつたのでトイレ休憩。明太子おこぎりをいただく。
この辺りまでは都会とその郊外、荒涼とした工業地帯と移り変つてきたが、この先からいきなり景色が変つてきた。防波堤の内側の海岸道路を下つて行くと漁港に出くはす。船の遥か遠くに空港島。外海に向いてゐるのに波は隠やかで、干潟には繊細な波の紋様が刻まれてゐた。美しい。

砂浜沿ひの道を走つたら数十メートルおきに砂の吹溜りがあつて、ロードバイクで走るのはかなり怖かつた。そのうちフロントブレーキが砂を噛み始めたのでこの道を走るのは断念した。街中の細い路地を走るのも趣きがあつてよい。
さらに南下を続けると海水浴場が見えてきて、アニメでしか見たことのない様な海の家などの脇を走る。俺にとつちや海水浴といへば車でちよつとドライブして行ける様なものぢやないので、かういふ高度に商業化された海水浴場は目に新しい。
なんか有名げな燈台。鍵かけてたり小洒落た鐘があつたり、リア充様御用達な感じ。流石に燈台が建つだけあつて岩盤は強固で、岩肌に見える節理も面白い…ええと、リア充爆発しろ。

この辺りでもう好い加減疲れ果ててゐるのだが、もう少し踏張つて目的地の半島の突端の街へ。フェリーの船着場周辺に土産物屋の出店があつて、蝿が集る中で大浅蜊の焼いたのをいただいた。旨い。しかし物足りないので船着場の軽食コーナーで地産の穴子丼をいただいた。こちらはちと微妙だつたな。この時点で十四時半。寄道がすぎて随分遅くなつたので帰路に着く。

半島を回り込んで内海沿ひの国道を北上。国道があるくらゐだからこちらの方が人里としては開けてゐて、海岸段丘を墾いた水田地帯になつてゐる。緩やかだがそれなりに起伏があつてしんどい。さう、しんどい。ここから先は割と一心不乱に帰ることばかり考へてゐて、何かに目を奪はれることもなくただ走るだけになつた。
景色もすぐに郊外の古い家並みの中を走る感じになり、そのままシームレスに家まで繋がつてしまつた。次は逆ルートにした方が面白いかもしれないが、しかし体力配分を考へればこれで良かったのかもしれない。疲れ切つた頃合ひであれやこれや出てきてもな。
家に帰つたら、肩と首と腰が痛い。脚はさうでもないが、ロードバイクは腰に来るな。
まあともあれ楽しかつた。