大和但馬屋日記

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晴れの予報に狙ひを定めて、朝一番の「ひかり」で静岡へ。

在来線に乗継いで沼津駅で降りる。沼津発東京経由小金井行といふ電車を見て目を剥いた。さうか、これが上野東京ライン効果か。この電車に乗つてみたいがそれは目的と違ふ。

駅前のモスバーガーで朝食を摂つてから沼津港へ一キロ少々。

輪行時にセンサーの取付け角が曲つてしまつたのに気付かなくてグラフが変になつてゐる。

前回の様な天気にはならず、背後の富士山も見えない。

千本松原の海岸を走つた。今日の目的の第一はここを走ること。十五キロの平坦な道。外でローラーを回してゐる様なものだ。海風が強くて少しペダルが重いが、ケイデンス80rpm維持で走り切れた。吉原に着いて気持良く一般道に下りたら、盛大に鼻水が出た。ここからが地獄の始まり。

吉原から由比に向けて一号線で富士川を跨ぐ。風が強さを増して辛い。前方、蕯埵山の上空には重い空が垂れ込めてゐる。気が重い、ペダルも重い。ともあれ十五キロ走つて由比の町に入つてゆく。

燕が目の前を飛び交つてゐる。天気が悪い訣である。由比の辺りで昼食をと思つたが時間が微妙に早すぎて食事のできる店が開いてゐない。入れさうな店にはオートバイの集団が入つてゐて混んでゐる。仕方がないので写真を撮つて時間を潰す。

清酒「正雪」。未だ味はつたことがない。

東海道線を絡めて何枚か。DP3 Merrillが一番活きるのは流し撮りだと思つてゐるのは世界でも俺だけだらうがさう思ふ。

薩埵峠を登る。高さは百メートルにも満たない峠道で大したことはないが、旧街道筋から山に登る入口の部分が壁の様な胸突坂になつてゐて難しい。レンタサイクルのママチャリで初めて挑んだ時は押して上つた。MTBで挑んだ時はアプローチに失敗して上り始めに止つてしまひ、助走をつけてやり直した。今回は流石に失敗しなかつたが厳しかつた。

かういふ天気。

蜜柑山のラックレール。理想の社会とはこの様なレールが山と言はず街と言はず全ての建物の間に張り巡らされた社会だといふのに何故判らぬか。

峠を下つて興津まで。下りただけ。上り下り合せて八キロ程度。鼻水が酷すぎてこの先の道行きに不安を覚える。風も強すぎて、とにかく寒い。

寺境内を東海道線が横切ることで有名な清見寺。由緒正しい立派なお寺である。

さて、風の強さと寒さ鼻水で体力は尽きてゐる。当初の目論見では掛川や浜松までも走つてやらうかなどと考えてもゐたのだが、とてもそんなことはできない。清水港からせめて海沿ひに久能山の方を廻らうかと考へてもみたが、風が強さを増して時折煽られる様にもなつたのでとてもあの吹晒しの道など走れない。何より危ない。大人しく帰ることにして、静岡駅への最短距離を行くことにした。最早心拍数やケイデンスを気にする余裕もなくなつてゐる。
途中の喫茶店で身体を温めたりもしつつ、最後は這ふ様にして静岡駅に到着。自転車を袋に詰めてから駅中のマクドナルドで改めてエネルギーを補給した。今日一日だけでー生分の鼻水を垂した様な気がする。帰リは在来線の乗継ぎで。静岡から浜松までは七十分程かかる。この距離を自転車でなんて無理だ。静岡から沼津まででも六十分なのに。身の程といふものをだな。
新所原と二川の間で車窓から見た夕日は絵になる風景だつた。暗くなつて、最寄の駅で降りて組み直した自転車で三キロ走つて帰宅。最後はデータを残す気にもならず。疲れると色々なことがどうでもよくなるな。バーレーンGPのフリー走行と予選を観て「てさプル」第三話のニコ生を観て寝た。
楽しかつたけど、予想以上に疲れて消化不良感の残るサイクリングであつた。