大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

ケータラムF1チームがいよいよ詰んだらしく、次戦アメリカGPへの参戦も絶望視されてゐる。そして、マルシャもここに来てフェラーリへのエンジン使用料の支払ひが滞ってをり、残りのレースを走れないといふ話も出てゐる。両チームともよほどの大逆転がなければ今季が最後といふことになりさうだ。さうなると、ニ〇一〇年に揃つて新規参入した三チーム、ヒスパニア(後にHRT)、ヴァージン(現マルシャ)、ロータス(現ケータラム)が全て消滅することになる。どのチームも五年足らずの間にチーム名が変つてゐるところからして、不安定な存在でしかなかつたといふことか。
因みに現存するF1チームを古い順に並ベるとかうなる。組織としてでなくF1参戦年度順。

フェラーリ
一九五〇年(F1開催初年度)から参戦する唯一のチーム。
マクラーレン
一九六六年に参戦したブルース・マクラーレンのチームを一九八〇年にロン・デニスの「プロジェクト4」チームが吸収。
ウィリアムズ
フランク・ウィリアムズが設立したチームとして一九六九年から一九七六年までのチームと一九七七年から現在に至る二つのチームが存在。前者はウォルター・ウルフとなつてすぐに消滅した。
ロータス
一九八一年、トールマンチームとしてF1参戦。その後べネトン、ルノーロータスと名を変へて現在に至る。昔の超有名なコーリン・チャップマンロータスとは無関係。ベネトン時代まで旧ロータスが存在してゐた頃のライバルチームの一つであつた。
トロロッソ
一九八五年参戦のミナルディチームが二〇〇六年にレッドブルに買収されて現体制となる。本家レッドブルより歴史は遥かに古い。
フォースインディア
一九九一年にデビューしたジョーダングランプリがミッドランド、スパイカー、フォースインディアと名前を変へつつ生残つてゐる。
ザウバー
ル・マン24時間レースを含むSWCでの輝かしい実績を携へて、メルセデスのワークスチームとして一九九三年にF1参戦。しかしメルセデスのサポートは十分ではなく、ワークスの座もマクラーレンに奪はれ、以後フェラーリの影響下で参戦を続ける。現在はかなり「苦しい方」のチームと思はれる。
レッドブル
一九九七年に初参戦したスチュワート・グランプリがフォードに買収されジャガーF1チームとなり、ニ〇〇四年にそれまでザウバーのスポンサーとして存在感を発揮してゐたレッドブルがチームを買収、現体制となる。
メルセデス
一九九九年に参戦したB.A.R.チームがホンダ、ブラウンを経てメルセデスを冠するチームとなつた。F1黎明期のメルセデスと直接の関係はないし、スポーツカーのザウバーメルセデスとも無関係だが、新しい割にブラウン時代と今年の二度のコンストラクターズタイトルを決めてゐる。
尚、B.A.R.は名義上は一九七〇年参戦のティレルチームを継承したことになつてゐるのでそれに随へば三番目に古いチームといふことになるが、断じて認めない。人も施設も引継いでゐないのだから、ティレルとB.A.R.は関係がない。
マルシャ
二〇一〇年組。レッドブルのやることは真似したくて仕方のないヴァージンの道楽が一年で終り、ロシアのマルシャに買却されるも虫の息。
ケータラム
二〇一〇年組。旧ロータスの名称使用権を譲渡されたと主張してロータスを名乗り、後に現ロータスが同様の主張をして法廷闘争にもなり、結局昔のロータスの名車「ロータス7」をライセンス毎買取つて今もその後継車種を作り続けるケータラムの名で参戦中。この訣の分らなさがそのまま現状に繋がってんだらうなあといふ感想は、さう間違つてはゐないと思ふ。

とまあ、現状を整理してみた次第。