大和但馬屋日記

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yms-zun2009-11-22

昔、何かで読んだ宮崎駿の手記に、こんなことが書いてあつた。「昔の草レースは良かつた。馬力の低いてんとう虫(スバル360)なんかがゴロゴロ転がつて、それでも皆楽しんでゐた。そこへホンダがやつてきてレースをダメにした」。うろ覚えどころか主旨すら取り違へてゐる可能性もあるが、何分それを読んだのは二十年以上も前のことだから赦してほしい。当時の自分はレースに興味を持つ前の宮崎かぶれのガキだつたから、実体験もない癖にそれを言葉通りに肯定して受け止めてゐたものだつた。もちろんレースに興味を持つて観戦する様になつてからは、先の文には全く別の感想を持つ様になつた。まあ、今もレース参加の実体験はないけれど。
昨日付けで、日本自動車レース工業会http://www.jmia.info/と株式会社童夢http://www.dome.co.jp/のサイトにF4用カーボンモノコックに関するプレゼンテーションが纏めてアップされた。
以前にオートスポーツ誌がつけたインネンは現場のカーボンモノコックに対する拒絶感を代表したものであらうが、それはまさに宮崎駿が書いた通りで、童夢はかつてのホンダと同じく本気でやりすぎて疎ましがられてしまふのだらうな。宮崎の狡いところはアニメ制作に関しては決して同じ様に言はないだらうことで、しかしレースに対するかつてのホンダや今の童夢のやり方と、アニメ映画に対するスタジオジブリのやり方には共通するところが多いのではないか。
よりによつて競争の場において本気を出すと疎まれるといふのはどうかと思ふんだけどな。ましてそれを扱ふ雑誌においてをや。

  • hisamura75 2009/11/23