鈴鹿行つてくる。
着いた。サポートレースのFCJがゴールする辺りの時間。暑い。場所は第二コーナーの突端、学生時代に初めてF3000のレースを観に鈴鹿に来た時と同じ場所。あの時は片山右京がF1に行く直前でチャンプ争ひをしてゐた。その日に勝つたのはロス・チーバーで、スタート直後には目の前でアーバインがクラッシュしてたり、ピロにシートを奪はれたハーバートが走つてたな。二十年も前のことさ。その観戦に誘つてくれた友人は仕事で予選は欠席。
コースマーシャルから観客への挨拶。セクション毎に自主的にやつてゐるのだと思ふ。今年の二コーナーチームはジャンケン大会で「粗品」プレゼントをやつたり、段ボール製F1カー(写真のコーナーポスト前のガラクタが組立て前のそれ)でクレーンの演習パフォーマンスをしたり。彼らは彼らでいつも楽しんでゐる。余談かつ日曜の話だが、レースディレクターのチャーリー・ホワイティングがレース直前のコース査察に出た時には、チャーリーの乗るセーフティカーを停めさせてピットストップの真似事をしてみせたり、マーシャルをクレーンで吊つて出迎へたりとコーナー各所で遊び倒してゐた様で*1、レース前にチャーリーが「ここのスタッフは最高だ」とコメントしたとか何とか。場内アナウンスのピエールがその話をしてゐる時、サーキットビジョンには有名な黒鼠の被り物を被つたマーシャルが映つてゐた。
ほどなくF1のフリー走行P3。初めて生で「段付きノーズ」を目にする。わはは、本当に酷いやこれ。写真や映像では一番マシかと思へたメルセデスが一番酷かつた。何も考へてなさげなフェラーリの方がまだ潔い。
昨年みたいな吹付けデフューザーは無いから各車の特徴の差異はあまり目立たないが、どうもレッドブルだけ音の出方が他と違ふ。ノイズ成分が多いといふか。S字でアクセル抜いた時に「ブー」と鳴るのも謎。似た音はメルセデスとザウバーも出してゐたが、エンジンは皆違ふし、ザウバーがそんなに変な技術を持つてゐるとも思へないのでエキゾーストの形状が違ふ程度の差なのかもな。
P3では各車とも殆どの時間をハードタイヤの走行に費してゐた。これで何周引つ張れるかが気になるのかね、やつぱり。
セッション終り。グランドスタンド裏のメイン広場に行つてうろうろ。鈴鹿サーキット五十周年といふことで往年のホンダ系F1マシンが展示されてゐるのを見る。RA300、ロータス100T、マクラーレンMP4/4、ティレル020、ジョーダンEJ12、BAR007、スーパアグリSA06。RA300にかぶついて色々見てた。
午後になつて予選。小林が頑張つてゐる。Q2までにタイヤ使ひ過ぎなんぢやないかと思ふけどとにかく頑張つてゐる。ベッテルなんか目ぢやないぜ。‥‥ベッテルだけハードタイヤぢやないですかーやだー。Q1まで速かつたマッサが何故かQ2落ち。速いのにねー。Q3。ベッテルが拘束具を解いた。何この異次元ラップは。ザウバーはタイヤを温存か。ラストアタックに出た、と思つたらライコネンがスプーンでスピン。黄旗。予選オワター、小林オワターと思つて手許を見たら四番手に「KOB」。え? タイム有効? F1アプリのコースマップの時間軸を動かして何度も確認。いや、やつぱりライコネンより後を走つてゐたよな。流石に抹消かねえ、と話しながら観戦仲間と集つて宿に移動。一年分のF1談義を楽しんだ。