大和但馬屋日記

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低下?

県内の小学四年生の約半数が「80×40」の計算ができない―。県教委が十日の定例会で報告した二〇〇三年度学力実態調査で、こんな結果が明らかになった。県教委は「学習指導要領の改定で繰り返し学ぶ機会が減ったことが要因」(教学指導課)と分析。小中高を通じ、応用問題の正答率は落ちる傾向があり、こうした部分的な基礎のつまずきが学力低下につながるとの懸念も出ている。

「つまずき」と書かせる様な指導要領のもたらす結果としては、蓋し当り前のことと思はれる。学力低下といふと如何にも児童が悪い様に聞こえるが、それでは児童が気の毒といふものだ。教育のレベルを下げておきながら「学力が下がつた」と騒ぐのはアンフェアだらう。指導要領の水準を上げる気がないなら、正しい結果として受容れる以外にない。
「つまづく」は辞書にもある通り「爪+突く」である。「蹴る」を加へれば「けつまづく」にもなる。「つまづく」と書けばその成立ちが明らかになるのに、表音的で分り易いからといふ理由で「つまずく」と書くとそれが分らなくなる。結果、「つまずく」といふ新たな単語を覚えることが暗に求められる。そのくせ「続く」を「つずく」と書けば誤りと見做されるといつた調子で、「じ」と「ぢ」、「ず」と「づ」の使ひ分けにきちんとした説明が為されない、その必要もないといふのが今の教育方針だ。それを是とするならば、九九を覚えるだけでは済まない二桁の掛算などできる必要があらうか。それはそれ、これはこれといふならその根拠はどこにあるだらうか。当然、あるわけがないのである。