大和但馬屋日記

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プロストの遠吠え

アラン・プロストがマイケルに苦言。正直、「よりによつてあんたがそれを言ふかね」としか言ひ様のないトホホな内容であるが、マイケルを叩きたい人には受けがいい様だ。某掲示板に見解を示しておいたのでこちらにも控へておく。練つてない文章なので多少恥かしい。


>フェラーリってベルガー&アレジの頃もそうだったのでしょうか?
それは順序が逆ですね。ドライバーありき、ではないから。

  • 88年にエンツォを失って、フェラーリには求心力がなくなった。
  • マンセルやプロストをうまく使えず、チームは上から下までバラバラだった。ベルガーとアレジの頃は彼らの才能を潰す様なマシンしか用意できなかった。チームとしては完全に二流。
  • 新社長のモンテゼモーロの号令の元、チームの体制固めを行うことになった。まず監督にトッドを迎え、トッドの望む通りの人材をそろえさせた。ドライバーにシューマッハー、テクニカルスタッフにブラウンとバーンを引き抜いた。

チームが一つにまとまっていく過程として、これほど分りやすい成功例はないと思う。絶対に不協和音が起らない体制にすることで成功すべくして成功したというか。マイケルはその中心というより、集められた絶対に欠かせないピースの一つ。この体制にあっては、ナンバー2ドライバーの存在などノイズにもならない。
好き嫌いはさておいて、そうなる様に慎重に組み上げられてきたのが95年以降のフェラーリだということ。その途中には葛藤もあって、トッドが辞意を表明したこともあった。チームの中心にあったのはたぶん「フェラーリを強くする」という意思そのもの。それがたまたま、マイケルが中心にいたいと思う気持と利害で一致していたので一見マイケル中心のチームに見えるってことだと思う。天才ドライバー一人を持ち上げて済む話ならフェラーリ(に限らずどのチーム)も苦労しないし、ジャックは今頃とっくにBARでチャンピオンになってるでしょう。
プロストフェラーリに切られた過去があるし、自分の作ったチームも不協和音の轟音の中で崩壊していったわけで、そんな何かの中心になれなかった恨みは深いと思う。そんなわけで、ドライバーとしての偉業はともかく、今回の発言は話半分にしか聞けませんね。