大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

ヤマギワソフトは自らの行ひに恐怖した

yms-zun2005-04-14

パッケージの一つ一つにこんな紙が貼られてあつた。

機動戦士ガンダム-一年戦争
まずはお間違えのないように、コチラは4/7に発売された新作です。もちろん新品です。
特典のカレンダーも今ならついちゃいます。大出血サービスの一品、お買い求めはお早めに!
もうどうにでもなれっ! ってくらい安くしてみました。(泣)
(以下略)

業界全体でネタ化する方向に出たか。で、ネタに一丁噛みするだけでは癪なのでちやんと購入した。何だかんだいつてcandoさんのレビューを読んでゐると遊びたくなつたから、朝仕事のチェックに出かけたついでにわざわざ回り道して買つてきたのだ。


職場に放置して、自分では遊ばずに他の連中の反応を見てみた。「自動でロックオンはできないの」「ターボターンとかないのかよ」あー、お前ら何と比べてるんですか。「あれはできないの」「これはできないの」全部「バーチャロン」とかカプコンガンダムとの比較だもんな。なんだかこのゲームが可哀相になつてきたよ。家に帰つたらじつくりやらう、PS2を返してもらつたことだし。
プレイした感想は今日のゲームに。

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廣辭苑前文方式

詳細は上記キーワードを参照のこと。
舩木直人さんに頂いたコメントや道閑さんに頂いたトラックバックの通りで、一昨日から今日の途中までに更新した日記・コメントへの返答・bookグループ記事の全てにおいて、「現代仮名遣い」への置換へを強要されるかなづかひを一切排除してみた。「現代仮名遣い」だけを見慣れた人には一切違和感を与へずに、しかし実体としては正かなづかひを維持した文章といふことになる。
これは、実際にやつてみると分るが、非常に疲れる。具体的には以下のやうな語が使へなくなる。

ほぼ全ての動詞の未然形
「いかう」「読まう」「買はう」など全て駄目。ただひとつ、抜け道として「しよう」が使へるので「いくことにしよう」などと書く羽目になるが、不必要に「こと」に頼つた日本語は好かんので精神的によろしくない。
ハ行の動詞
「いふ」「思ふ」「考へる」「使ふ」。日常の思索に関する動詞がことごとく使へなくなる。これが一番堪へた。しかし、これは普段如何に「〜だと思ふ」を濫発してゐるかを思ひ知る切掛けともなつたので、今後も少し気をつけようと思ふ<言つたそばからこれですか。
副詞の「かう」「さう」
「このやうに」と書換へやうとして、「やう」も使へないから「この様に」とか「こんな」とかにすると、ニュアンスが変つてしまふ場合も少なくない。
促音便「っ」
ハ行動詞をなんとか誤魔化して使へないかと試行錯誤して「思ふ」を「思つた」にしても、これはこれで駄目なので本当に弱つた。「廣辭苑前文方式」ではよく「っ」だけは許容するといふ手が使はれる様だが、今回は少し意地を張つてみたかつたのだ。
拗音便「ゃゅょ」
あまり困らない。唯一「〜しませう」が使へないのだけはほとほと困つた。
ワ行の平仮名「ゐ」と「ゑ」
丸三年正かなを使つてゐても滅多に「ゑ」なんて出てこないが、「ゐ」は「〜してゐる」の形で多用するので困る。「居る」と書ける場合は良いが、さうでない場合の方が多い。勢ひ、「〜してる」などと書いて誤魔化すことになる。

他にも細かい注意点はあるかもしれないが、主に気をつけるべきはここに挙げた通りである。「とりあへず」を「取敢ず」などと送り仮名でズルをしたり、なんとか別の言回しがないかと考へたり、どうでもいい苦労を随分した。普段滅多にやらない推敲を重ねた割には文章の質が向上した様子はどこにも見当らないから、我ながら何をやつてゐるのか分らない。
このゲームにはさらに「匠モード」があつて、「現代仮名遣い」の病巣である助詞の「は」「へ」「を」も使はない、もちろん「わ」「え」「お」と置換へない、なんてのはどうですか、誰かやりませんか。オレは嫌です。
あとはまあ、アレだ、言葉狩りとそれに付随する言換へ語なんてのもこれと同種の徒労だからやめてしまへ。みんな「放送禁止歌 (知恵の森文庫)」読め、と。
ちなみに「正字も略字も使はない」モードは江洲さんが一昨年の四月馬鹿の日に実践されてゐましたね。
まあ、上記に纏めたやうな点にだけ気を付けてゐれば誰でも正かなが使へるやうになりますよといふ指針にはなるかもしれないから興味ある人は「私の国語教室 (文春文庫)」でも読んでみてくださいな、といふいつもの結論にむりやり落ち着けてみる。
しかしたつたこれだけの縛りでもえらい苦労をするのだから、「残像に口紅を (中公文庫)」を書いた時の筒井康隆のしんどさは想像するに余りあるな。さういへば「幽々白書」でこの小説のアイデアを借用してたな。アニメでその回を見たことがある。

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今日も一冊

三鷹事件の本を読んでゐる最中の今、書店で目に止まつたので副読本として買つてみたら一気に読み終へてしまつた。タイトルから受ける印象ほど軽い内容ではないが、理屈がシンプルなので理解しやすい。論理的正しさを重んじる人(笑)には特にお奨め。

大和但馬屋読書日記 - bookグループ

司法のしゃべりすぎ (新潮新書)

司法のしゃべりすぎ (新潮新書)

全ての裁判において、判決文には判決理由を書くことが義務付けられてゐる。現役判事である著者はこの判決理由を「実定法に基づき主文(判決文)を導く法理論的過程」であると定義づけ、判決理由文のうちこの定義に沿ふ部分を「要部」、定義から外れた部分を「蛇足」と判定し、世の判決文の理由欄が如何に蛇足に満ちてゐるかを告発する。
著者が掲げる架空の例を要約すると、こんな話だ。
V氏殺人事件の犯人として起訴されたY氏は、証拠不十分で不起訴処分を受け、釈放されて社会復帰した。その後二十年が経ち、被害者V氏の子X氏がY氏に対し、親を殺したとして損害賠償請求の訴へを起した。Y氏は殺人の事実の否認と、損害賠償の除斥期間の経過を主張した。裁判所は時効の過ぎた殺人事件の有無について三年間も審理を行ひ、最後にある判決を下した。判決文の主文には「損害賠償請求を棄却する」とあり、X氏の全面敗訴となつたが、Y氏はその判決書類を見て仰天した。その理由欄には、「Y氏は二十年前に殺人を犯したが、損害賠償請求の除斥期間が経過してゐるのでこれを棄却する」と書いてあつた。Y氏はこの判決理由を不服として裁判所に控訴を届け出たが、「裁判に全面勝利してゐるのだから、控訴によるY氏の利益が存在しない」としてこれは却下され、Y氏は過去に殺人を犯したといふ濡れ衣を一生背負ふ羽目になり、X氏はY氏が犯人だと認定されたことに満足した。
著者は、この「Y氏は過去に殺人を犯したかどうか」について述べた部分を全て蛇足だと断じる。なぜなら、損害賠償の除斥期間の経過はX氏の訴へが起された時点で明らかな事実なのだから、第一回目の口頭弁論の時にでもこれを理由に請求を棄却できたはずなのだ。なのにその後三年間に渡つて全く不必要な審理が続けられ、はじめから結果の分りきつた判決文の理由を説く欄に被告の名誉を著しく損ふ内容が書かれることになつてしまつた。そして、被告にはこの汚名を雪ぐチャンスは二度と与へられないのだ。
絶対に取り違へてはならない点がある。著者は「Y氏がやつてもゐない殺人をやつたことにされたから」この判決理由が駄目だと言つてゐるのではない。「Y氏が殺人を実際に犯してゐようが犯してゐまいが、それは全く判決には関係がない」と言つてゐる。原告X氏は「いやそれこそが大切な、明らかにしたいことなのだ」といふだらうが、法に照らす限りそんなことは全くない。起訴事実が「損害賠償請求」である限り損害賠償の支払の妥当性だけが争点であり、架空の本件の場合はそもそも損害賠償の条件から外れてゐるのだから、損害の有無すら判定する必要はない、むしろ判定してはならないのである。
こんなのは所詮作り話だと思へど、実はさうでもないらしい。むしろ世の中の判決文の多くにかうした蛇足がみられ、裁判所はしなくても良い審理をし、司法の分を超えた憲法判断をしてマスコミを煽り、国会に新たな立法を仄めかしたりもする。これは重大な違法行為であるが、今まで誰もそれを問題にしてこないばかりか、歓迎されてきた節もあると著者は憤る。蛇足とはすなはち判決理由の要件を満たさない文であり、それが理由欄に書かれる悪しき慣例について今まで誰も疑問に思はなかつたのかと。
本全体が一貫した理論で貫かれてをり、読んでゐて大変小気味がよい。自分を「大人」だと自認するどこかの誰かがこれを読んだら「世の中そんな簡単なもんぢやないよ」と鼻で笑ひさうなものだが、世の中を訣の分らぬものにしてゐるのはつまりさういふ輩なのだ。おつと、これは蛇足かな。

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今日のゲーム(四月十四日)

タッチ! カービィ(NDS,Nintendo,ASIN:B0007L8SFG)タッチ! カービィ

  • プレイタイム:15:34
  • メダル:226/250
  • クリア:70.2%

なんだかメダルの取得率とクリア率が一致してないな。まだ何か隠された要素があるのか。

ギターフリークスV(AC,KONAMI)

何回かプレイ。「prism」でC評価が取れた。ギターソロのところで死にかける。何度聴いてもビートルズのあの曲ぽい*1
公式サイトの曲紹介で良い&弾けるかもと目星をつけておいた「 rebirth of love」もC評価でクリア。何とかなるもんだ。あとは古川もとあき氏の「GET READY」が目に止まり、弾いてみたら何とかギリギリで生きのびて、「ヘリコプター」もクリア。「Yellow Panic Time」はやはりダメで、「Cockpit」を踏んでみたらこれがとんでもなく速い曲で玉砕。二百円は大切にしよう。
それにしても曲があまりに多くて、何をどう選んだものか見当もつかないね。曲リスト一周しない間に制限時間になりかねないですよ。

機動戦士ガンダム-一年戦争(PS2,BANDAI/namco:ASIN:B00065G7PQ)機動戦士ガンダム 一年戦争

自分で遊び始めて、ベルファストズゴックにヌッ殺されたところまで進めた。うかうかと水中に入つたのが敗因。といふか、よりによつてアッザムにも殺されるは、ランバラルのグフにも殺られるは。アムロ弱いな。要所要所でメモリアルは再現したけど、マ・クベミサイルは出なかつた。一回目のプレイでは無理だ。
ベルファスト到達前の敵モビルスーツ群ではザクが一番強くないか? 兵装が豊富だし、格闘戦は動きが速いし。グフ、ドムと弱くなつていくのはどうしたことか。WB側はWB側で、ガンダムよりガンキャノンの方が絶対強い。放物線射撃最強。
操作性は、オレには全く問題なし。「THE地球防衛軍」のテクニカル操作をマスターしてれば何といふことはない。伊達にINFERNOをクリアしてないぜ。操作系のアシストは全部切つたが、それでも特に難しいとは感じなかつた。結局他のゲームと比べてゐるが、比べる対象が類似のガンダムゲーである必要もあるまい。
なんだか遊ぶ前に散々期待値を下げられたせゐで、普通に遊べる面白いゲームな気がしましたよ。カプコンガンダムをどうしても遊ぶ気になれないオレには丁度よい。結果的に、値段のこともあつて全く損をした気がしなくてよかつた。

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*1:それが悪い訣では全くない