大和但馬屋日記

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データなし

呑み。まあそこそこに。
ガルパンはいいぞ」は同調圧力だといふ人がゐるらしい問題。

共通の対象とその周辺の話題で盛上るためのキーワードとして「萌え」がある。仮令実は本気でさうは思つてゐなくとも、逆にそんな言葉で言ひ表せないほど深い情熱をその対象に抱いてゐたとしても、「萌え」をキーワードにしてコミュニティのレベルを(まあ、大抵の場合は低いところに)規定し、自らのネット人格のレベルも同じところに揃へることができる。少し言葉を変へればその場の「空気」を読みやすいものにし、「和」を保つ効果がある、といふことだ。つまり、その時点での「萌え」とは自立した概念ではなく、オタク同士の緩い付合ひの中に何となく存在するものでしかなかつた。
ところが、コミュニティの和を保つ道具としての言葉が浸透するにつれ、いつしか言葉自体に意味が与へられ様になる。といふか、後からその言葉を聞いてそこに意味を求める者が増えてくる。それあ、耳慣れぬ言葉を聞けば誰だつてさうするだらう。でも、元々言葉自体に深い意味があつた訣ではないから様々な解釈が生まれる余地がある。やがて、それがまるで所与の自立した概念であるかの様に認識され、目的に変化し、具体的な物(商品)として消費される様になる。今ここ。

「萌え」を「ガルパンはいいぞ」に置換へて終了。