で、浮世絵とか光ファイバーとかみたいに、オリジンは日本なんだけど、「海外で権威付けされた」唐物として「科学まんが」に文部科学省の予算が付く、と…。
やっぱり - ウスイ スウプの日記
本題とは関係ない話だけど、これはふるつてるなあ。また冨田勲の話を思ひ出した。それはともかく、「あにめ」とか「げーむ」とかもさうなんだよな。海外で認知されてなければ国内での社会的地位も今より低いままだつたことは想像に難くない。
「Forza2」の痛車の件も、昨日「いくつかの幸運が重なつて」と書いた通りで、その中には確実にかういふことがあつた訣だ。
- 使へるレイヤー数や種類の制限はより厳しいが原理的に「2」と同じペイント機能を持つ「Forza1」の時点で目を見張る様なペイントカーは既に存在した(ガリガリ君カーや金鳥カーなど)
- 日本での旧Xboxの市場規模により、それらは多くの目に止まることはなかつた
- 「Forza2」の発売が近づき、2chの当該スレッドで「1」のペイントカーが脚光を浴びた
- 「Forza2」発売
- 各国の流通の都合等があり、MS製の洋ゲーなのに日本版の発売が世界で一番早いといふ異例の事態となつた
- その日の内に「1」で伝説的作品を作つた職人が「2」で同様の作品を再現してネットにアップした
- すでにイメージトレーニングを済ませてゐた職人達も作品を次々にアップ
- 先行発売された日本での反応をオークションサーバ上で窺つてゐた開発元のスタッフの目に止まつた
- 公式ブログで開発陣からの感謝のメッセージが掲載された
- 時を待たずに、その他海外フォーラムでの反応もネットを通じて広まつた
- ニコニコ動画に痛車走行動画がアップされ始めた
- 北米版発売と同時に公式サイトへの画像アップロードが可能となり、ネット上での作品発表が容易になつた
- 祭り爆発
まあ大体こんな流れだらう。改めて挙げてみれば、本当に幸運としかいへない事が幾つもあると思ふ。その中で、「開発元からの反応」が果した役割は相当に大きい。海外フォーラムの反応もあちこちでコピペされたので、それを目にした人は多からうが、Turn10スタッフによる「権威付け」がなければ、たとへばNIKKEI NETの記事なんかにはならなかつたのではないかと思ふ。
まあ、「Forza2」のことは毒にも薬にもならない微笑ましい一件として済ませればよいし、海外で注目されたことが権威付けになるのも別段悪いことではないんだけどさ。
海外で注目されないと自国にあるものの大切さに気付けないことがあまりに多すぎるのだとしたら、それは勿体無いことだと思ふ。勿体無いといへば、例の「MOTTAINAI」とかいふ奴もさうだよな。なんでわざわざローマ字で書くの。他所の国の人が誉めてくれるまでその言葉の意味を知らんかつたのか、外人が言つたから今更有難がるのかよと、思はざるを得ない。あと「カイゼン」とかな。
民俗学的知見によると、日本人は「境界の外」にあるもの、外から来るものを神と崇めるものらしい。その伝で考へるとすべて納得できてしまふから恐ろしいよな。