大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

平成十六年版「今年のゲーム十選」

はい、今年も余すところあと三百六十日ほどとなつてしまひました。ここらで恒例企画をやりませう。
毎度ながら大和但馬屋ローカルルールを書いておくと、「一年間にプレイレて言及したタイトルの中から、これと思ふ十本を選出。順位づけはしない」てなところ。いつもの「今日のゲーム」といふエントリはこの企画のための仕込みですな。
年間の言及リストは長いので末尾に追ひやることにして、その中から最初に除外作を篩ひ落とした残りを挙げてみよう。分り易く言へば予選通過。

以上。これを十本に絞らなくてはならない。五本は迷はず当確なのだが、残りが問題だ。先の五本に劣るといふより、「これを入れてあれを落すのはなあ」みたいな迷ひが生じる奴らが多くて困る。特に一つ、滅茶苦茶扱ひに困るのがある。どれがそれらにあたるかは想像にお任せするとして、断腸の思ひで選んだ十本をどうぞ。

バトルギア3TUNED(AC,TAITO)

想像に任せるとかいつていきなりネタバレになるけど、これを除けて一つ枠を空けた方が良いのではといふ葛藤があつた。しかしそんなことでオレの愛は止められないのさ。
ネットエントリーキーは失くしたけれど、そしてそのことに対して妙にサバサバしてはゐるけど、今は気ままに車種を選んで適当に転がすといふ楽しみ方を見つけて、それはそれで満足してゐる。まだアーケードに行けばBG3が稼動してゐるといふのは、嬉しいことだ。
今年は追加コースの数々、殊に「超弩級B」に楽しませてもらつた。「弩級B逆走」匠モードにおける友人達とのバトルも思ひ出深い。さすがに来年の十選には入らないと思ふが、ゲーム人生の中で最もはまりこんだゲームのひとつとしてオレの中で語り継がれることであらう。

塊魂(PS2,namco,asin:B0001GQ8KO)塊魂

モウ言葉ハイラナイヨネ。ミンナ大好キカタマリダマシー。
なんて具合に、王様ファミリーの世界観とBGMばかりに言及しすぎた嫌ひがあつて正直少し反省してゐる。
今更な繰返しになるけれど、やはり「POWER OF TEN」の如きスケールの変化が最高に気持いい。「星を作る8」はそれを味はふのに最も適してゐると思ふ。
あと、ダイレクトな操作感を持ちつつも思ひ通りに動かせない隔靴掻痒な感覚が絶妙だ。時折見かける「操作性が悪い」といふ批判は当つてゐないと思ふ。「塊魂」の操作感は、ああでなくてはならないのだ。必要以上の快適さはゲームを殺すことにもなりかねない。もどかしさを感じることとただ劣悪であることとは似てゐる様で異なる。ただしそれを分け隔てるのは「贔屓目」かもしれない。

グラディウスV(PS2,KONAMI,ASIN:B00022FI1M)グラディウスV

これが「グラディウスらしくない」といふ人とは、たぶん話が合はないだらうと思つた。「グラディウス」の名を冠するゲームが備へるべき最低条件は唯ひとつ、「挑戦し甲斐のあるシューティングゲームであること」それだけだ。その意味で、「V」は最も「グラディウス」らしい「グラディウス」の一つに加へるべきだとオレは信じて疑はない。

ASTROBOY鉄腕アトム アトムハートの秘密(GBA,SEGA,ASIN:B0000CE7IE)ASTRO BOY 鉄腕アトム アトムハートの秘密

トレジャー作品が続くが、とにもかくにも手塚治虫の世界を一つに纏め上げた手腕はお見事。
アクションゲームとしてはそれほど好みの方向ではないのだけど*1GBAといふハードの制約のおかげかボリューム的にも難易度的にも丁度いい塩梅にまとまつたと思ふ。遊んでゐる間の熱中のしかたを思ひ返して、晴れて十傑入りとした。

THE お姉チャンバラ(PS2,D3/TAMSOFT,ASIN:B0002ER69W)SIMPLE2000シリーズ Vol.61 THE お姉チャンバラ【CEROレーティング「Z」】

面白さを感じるまでに時間が掛つた。「SIMPLE2000シリーズだから」て許してしまつた部分も多分にある。「神ゲー」扱ひは不当に高すぎる気もする。
しかしながら、今後この手のゲームで遊ばうと思つた時に、棚から取り出すのは「無双」ではなくこれだらうなと思つた。最初に書いたことと矛盾するやうだが、値段のことを抜きにしてもここまでよく出来たゲームはさう有るものではないのだ。「よく練られてゐるが、詰めが甘い」といふ何とも形容し難いゲームだ。そのどちらを重く見るかで評価が分れさう。十傑に入れておきながらゴチャゴチャ書きすぎなあたりにも、それが顕れてゐる。

大合奏!バンドブラザーズ(NDS,Nintendo,ASIN:B0006GASB4)大合奏! バンドブラザーズ

あるゲームを遊ぶ前の自分と遊んだ後の自分は、もう同じ人間ではない。昨日のズボンはもう履けない。不思議だ。素敵だ。幸せだ。そんな感覚を味はつたことが、一体どれだけあるだらうか。
音ゲー」といふよりも「楽器」に近いからこそ、オレのやうな音痴にもそんな感覚が味はへたのだと思ふ。

直感ヒトフデ(NDS,MITCHELL,ASIN:B0006GASAA)直感ヒトフデ

どうコメントしたら良いのやら。単なる中毒系ゲームと片付けてしまふのは何だか抵抗があるが、煎じ詰めれば同じことなのかもしれなくて、うまく言葉にできない。未だにプレイヤーとしての覚醒の瞬間は来ないけど、来るべき「その時」の為にも延々遊び続けることになるだらう。そんな予測込みで入選。
直接関係ない話をしよう。任天堂の人が「パズループ」を見てミッチェルにDS用タイトルを打診した結果がこのゲームであるらしいといふ記事を見て、一「パズループ」ファンとしては嬉しく思つた。DS版パズループも欲しいですな。直接画面をタッチしてグルグル回したい。

虫姫さま(AC,CAVE/AMI)

アーケードのシューティングで、最も易しいオリジナルモードとはいへエンディングまで到達したのは実に久しぶりなので十傑入り。マニアックモードも何とかしたい。ウルトラモードは見なかつたことにしよう。
シューティングとしては、比較的基本に立戻つた作りだと思ふ。システムが理解しやすくて攻略に集中できるので、歓迎すべきことだ。だからといつて退屈なゲームでないところが職人芸。

メトロイド(GBA,Nintendo,ASIN:B0002M2UA4)ファミコンミニ メトロイド

新作を二作も放置して、ひたすら一作目に勤しんだ昨今。最短ルートプレイは何度もマザーブレインに殺されて頓坐中だが、この遊び方を思ひ付いて、かつ実行可能だと知つた時の衝撃はある意味「塊魂」並といふか、良く分らない例へで申し訳ない。とにかく良く練られたゲームだ。これこそ「神ゲー」と呼ぶに相応しい。

R:RACING EVOLUTION(PS2,namco,asin:B0000CGAEB)R :RACING EVOLUTION

遊んだ時間とか要素の埋め具合で言ふと未だ「全然」といふか、むしろ「積ゲー」の一つになつてしまつてゐるが、とにもかくにも「プレッシャーゲージ」システムの秀逸さに愡れてゐる。すべてのドライブゲームナムコに金払つてでもこのシステムを取入れるべきだ。さうでないなら少しはマシなAIにするか、それが無理なら思い切つてゴーストにしてしまへ、と思ふ。
ドライビングフィールもオレ好みだし、これが積まれてゐる限りオレには「グレートシング4」は必要ではないだらう、みたいな。

選外次点

前項までで十本。以下惜しくも選に漏れたもののうち、どうしても捨てるに忍びないものを幾つか挙げておく。

ゼルダの伝説ふしぎのぼうし(GBA,Nintendo)

まさかこれが漏れると思はなかつた。といふかコレと「風タク」で一席ぶつ話はどうなつた?

逆転裁判3(GBA,CAPCOM)

まさかこれも漏れると思はなかつた。とくに冬は。

トレインシミュレータ御堂筋線(PS2,音楽館)

後から買つて遊んだものの言及しそびれた「電GO!FINAL」と遊び比べて、こちらの良さを実感した。CG屋がこれを言つたら負けだけど、実写には勝てねえ。数百トンの列車の重さを感じられるか否かの決定的な差がそこにある。

真・三國無双3 Empires(PS2,KOEI)

何で世間的にこれの評価が低いのかが分らない。内政パートと戦闘アクションの連携は、オレには非常に面白く感じた。三國志としてどうかなんて全く興味ないし。

まとめ

とにかく豊作の一年だつた。十本選ぶのにこんなに迷つたのは初めてだし、だからこそ選んだものにはきちんとそれなりの理由を示せたと思ふ。それが昨年との大きな違ひ。
毎年これをやるのが楽しみであり続けるくらゐ、面白いものに当ればよいですな。

昨年一年間に言及したタイトルのリスト

*1:「ガンスタ」も「ガーヒー」も「シルミラ」も二分すれば嫌ひなゲームだ