大和但馬屋日記

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職場の同好の士に誘はれて、自轉車を輪行して關ヶ原驛に集合。關ヶ原に向ふ車内は自分の他にも輪行自轉車や鐵オタが何人も居て、不思議な空間となつてゐた。特にイべントがある訣でもなく、土曜の朝にさういふ人が利用し易い路線といふことか。
關ヶ原驛に集まつたのは自分含めて職場から四名、他にその内の一人の友人として自轉車趣味者が四名程。元々SNSリカンベントコミュニティの集まりださうで、この日リカンベントは一臺もない代りに皆ミニべロで集まつてゐた。ガチのロードは俺一人で、同コミュと關係のない職場の二人はクロスバイク。話をしてみるとストライダ乘りも何人か居るさうで、あんな變なのに乘る人が俺以外にも居るのだなと感心した。街中で俺以外に見掛けることないもの。
關ヶ原といへば言ふまでもなく歴史的に有名すぎる古戰場。天智天皇の没後、後繼とされた大友皇子に對して擧兵した大海人皇子が吉野から伊勢を經て美濃に到り、豪族を集めてこの不破の道近邊で激戰を繰廣げた。その時の兵共の流した血が小川の川底の石を黒く染めたとも言ひ、而來その川は黒血川と呼ばれる由。そんな歴史的な要地をのんびりとポタリング。氣持が良い。何かそこら中に家紋の類の看板やら標識があるがよく解らぬ。
大海人皇子といへば、病床に伏した天智天皇から「後繼になれ」と鎌を掛けられた際に「世繼は大友皇子が相應しい、自分は出家して吉野に下る」と言つて危機を逃れたのを見送つた時の人が「これでは虎に翼を付けて野に放つ様なものだ」と評して未來を案じたといふ。これが「ガルパン劇場版」の「黒森峰とサンダースが來てくれるなんて、鬼に金棒ね!」「虎に翼」といふ臺詞の由來と思はれる。もちろんティーガー戰車とファイアフライに掛けてある。

泉神社。その名の示す如く、伊吹山から降りてくる冷涼な湧水の出る処で、自動車にポリタンクを山ほど積んで汲みに來る人が絶えない。先づは君が落着け。

伊吹山を遠くに望む古刹。何かお茶で有名ださうですよ。
トンネルを潜つて長濱の街へ。同行者曰く「輕井澤化しつつある」とのことだがまあ解らんでもない。古い街竝みが程よく賑はつてゐて、居心地は良ささうである。ここで昼食を頂いた。上品な甘いカレーでまあ普通に美味だつた。コーヒーはちやんと苦かつた。西の方から合流した人が居て、乘つて來たのがアレックス・モールトン。美しい。値段を訊いたら、まさに桁が違つた。

長濱の堅ボーロ屋。本営に堅いらしい。堅いといふか硬いだよな。歯に悪さうなので遠慮した。
長濱から米原方面に下り、中山道に沿つて東へ戻る。

西行水。何か書かれてある謂れを讀むと西行法師が地元の娘に手を出して出來た腹の子を堕させたといふ下衆な話でしかなくてモニョる。

醒井宿の梅花藻。綺麗で冷たい水にしか生えない變つた水藻。尽々水に恵まれた土地なのだな。
舊街道を辿つて幾つかの宿場を過ぎ、日暮れと共に關ヶ原に到着して解散した。

概ね五十三キロメートル。ゆつくり走つたのでそれほど疲れなかつた。
歸つてF1イタリアGP豫選。マッサが引退の意志を發表、バトンが來季の休養を宣言。