大和但馬屋日記

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生頼範義氏死去の報。ゲーム小僧だつた身からすると生頼さんといへばやはり光栄(現コーエーテクモ)の歴史シミュレーションゲ一ムのイメージイラストの印象が強い。特にその時感銘を受けたといふよりは自然に「さういふもの」として見てゐた訣だけど、今にして思へばゲームといふ商品、殊に大人向けを狙つて他のゲーム群の倍ほどの高額設定で売つてゐる物のクオリティを「さういふもの」のレべルに引上げてゐたといふことなんだなあ。先だつての長岡秀星氏の時に書いたことと似通つてゐるけれども。
今の目で見れば三十年前のゲーム周辺なんて発達前もいいところで、今でこそ生頼氏の絵の様なクオリティのアートワークが画面にそのまま再現されてゐることくらゐ当然だし何ならそれがアニメーションすることすら驚くにも値しない訣なのだが、当時は技術的にとてもそんなレベルにはない上にパッケージのアートワークですら大半は素人仕事の域を出ない中にあつて、八〇年代後半の光栄のゲームのパッケージアートはゲームといふ遊びが爆発的に発展し始めた時代を象徴してゐた様に思ふのだ。自分の中では単に「絵が凄い人」でなく、凄い絵で世界を牽引した一人として心に残り続けるのだらう。