スタートの二十分ほど前に雨が降り始めたがスタートはスタンディング形式。HRTを除く全車インターミディエイトタイヤでスタート。
グロージャンがいいスタートで三番手に浮上した。外側からはウェバーが上り、シューマッハーとグロージャンの前へ。その後、グロージャンが滑つてシューマッハーと絡んでスピン。二台とも大幅に後退した。
雨は激しさを増し、四周目から各車がウェットタイヤに交換を始める。グロージャンはまたも単独スピンでリタイア。
コンディションは悪くなる一方で、七周目にセーフティカーの宣言。現地で電源トラブルか何かの為に一瞬赤旗の表示が出たが、すぐに否定された。バトンは「最終セクターが湖の様だ!」と訴へてゐる。
九周目、本当に赤旗が出た。マクラーレンのクルーによると「あと三十分はこのコンディションだらう」とのこと。マレーシアで、この時間にレースをするのがをかしいと思ふんだけどねえ。中断時の順位。
- ハミルトン(マクラーレン)
- バトン(マクラーレン)
- ペレス(ザウバー)
- ウェバー(レッドブル)
- アロンソ(フェラーリ)
- ベッテル(レッドブル)
- ベルニュ(トロロッソ)
- マッサ(フェラーリ)
- ロズベルグ(メルセデス)
- カーティケヤン(HRT)
- ヒュルケンベルグ(Fインディア)
- ディレスタ(Fインディア)
- ライコネン(ロータス)
- マルドナド(ウィリアムズ)
- シューマッハー(メルセデス)
- 小林(ザウバー)
- デラロサ(HRT)
- リキアルド(トロロッソ)
- ペトロフ(ケータラム)
- グロック(マルシャ)
- コバライネン(ケータラム)
- ピック(マルシャ)
- セナ(ウィリアムズ)
リタイアしたのはグロージャン(ロータス)のみ。
凡そ五十分後、セーフティカー先導により十周目からレース再開。レギュレーションにより全車ウェットタイヤ。
十四周目、セーフティカーが退出してレース再開。同時に八台のマシンがピットに入つてインターミディエイトに交換。次の周には残りの殆どがピットイン、一人残つたペレスが先頭に。
十五周目、バトンがカーティケヤンと接触してフロントウイングを折つてしまつた。
十六周目、ペレスを仕止めたのはアロンソ。まさかのラップリーダーに。
二十周目より、DRSの使用が解禁となつた。まだ路面は乾き切つてはゐないが。
メルセデスのレースペースが悪い。二台とも周囲の二秒落ちで順位が下がりがち。マッサにピットから発破が掛る。期待を裏切らないマッサはしなくてもいいミスをしてベルニュに抜かれる。マッつあん‥‥
三十周目、シューマッハー対小林。小林が自己ベストのタイムでシューマッハーを料理して十一番手に。よしよし。一方、ペレスはファステストを記録しながら二番手快走中。続いて小林もファステスト。路面変化にザウバーがベストマッチしてる感じだな。しかしまた暗雲が垂れ込め始めた。譬喩でなく映像的に。路面は乾いてウェットパッチを探しつつ走らなくてはならない、しかしもうすぐ雨の予想。タイヤマネジメントに頭が痛からう。
ペレスの速さは本物で、アロンソとの差を詰めつつハミルトンをどんどん引離す。アロンソより一秒速い。
三十八周目、リキアルドがピットイン。今レース初のドライタイヤに。このリキアルドのタイムを見て各チームがドライバーに指令を飛ばす。そして一気にピットイン。リキアルドはアロンソより五秒も速い。ザウバー、動けよ!! かういふ時、トロロッソの結果を見る前に動かないと意味ないだらう。
ドタバタッと動いて、アロンソとペレスのリードは変らず。しかし後ろのハミルトンの方が明らかに速い。あと十一周、逃げ切れるか。でも、ペレスもアロンソよりは速いのだ。小林はペース悪くなつたなあ。順位を三つ落してピットイン。オプションタイヤが大外れだつたのか? いや、ガレージに入つてリタイア。むー。
四十八周目、ベッテルがカーティケヤンと接触してタイヤバースト。ポイント圏外へ脱落。
四十九周目、遂にペレスがDRSゾーンにアロンソを捉へた。ストレートでペレスが十キロ速い。しかしサンウェイラグーンでミス、コースアウト。ピットから「一〜三コーナーで雨だから注意しろ」と言はれた矢先。地図見れば分るけど、一コーナーが雨なら十四コーナーのサンウェイラグーンも雨なんだよね‥‥。アロンソとは五秒差に。あと六周。
五十五周目、十番手マルドナドのマシンから白煙、ピットからは「エンジンブロー」と。ガレージに戻つてリタイア。大きくペースダウンしたベッテルに、ピットから「フィニッシュするな、ピットに戻れ」と指示。これが国際映像に流されたので今度は「戻るな、コースに残れ」と。で、その後すぐに「やつぱり停めろ」。二転三転するピットの指示に、ベッテルはチェッカーを受けて応へた。レース中に「無線が壊れてるからタイヤボタンでコミュニケーションを取れ」と言つてゐたのに、お粗末だなあ。
そんなレッドブルのゴタゴタを他所にアロンソが優勝。そしてペレスが二位となつた。ハミルトンは前戦に続き三位。ウェバー、ライコネンの後にセナ、ディレスタ、ベルニュ、ヒュルケンベルグと若手が入賞してシューマッハーが十位フィニッシュ。コンディションの厳しいレースながら、リタイアは小林とグロージャンの二台のみだつた(マルドナドは完走扱ひ)。
いやあ、ペレスが魅せてくれたね。いつぞやの富士のベッテルを思ひ出す。次にモンツァの様な時が来れば、ペレスもトップドライバーの一員だ。フェラーリへの道が開けたと思ふと、それを素直には喜べないのが今の状況だが、そんなフェラーリで勝利したアロンソは本当に凄いね。