大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

皿洗ひの慟哭を聞け

「The Dishwasher」難度SAMURAIの終りが見えてきた。一面クリアする毎にアイテムを使ひ果すので難度をTOURNAMENTに変へて金稼ぎを兼ねて練習といふチキンぶりではあるが、それでもここまで進めるとは思はなかつたな。つか、遊び方とかハマり具合が「お姉チャンバラ」の時と全く同じだ。

「The Dishwasher」の面白さの要因の多くは、「作つた奴がこの作品に愡れ抜いてるな」と思はされるところにある。それが自己満足でなくプレイ感覚に反映されてゐるから凄い。バランスが破綻した結果、却つて巧くとれてゐるといふのも然り。

「The Dishwasher」の開発者の愡れ抜きつぷりを示す一例としてこんなのがある。ゲームのステージ中に、脈絡もなくギターとアンプが置いてある。近付いてBボタンを押すと蛇足としか思へない音ゲーが始まる。ゲームのシステムは「L4U」そのもの。右から一列に流れてくるマーカーに合せて四つのボタンを押す。ところが、ここでギタコンを用意しておくと、システムが「ギターヒーロー」に‥‥いや、「ギターフリークス」のリバース譜面に変る。たかがおまけの寄道ゲームにインターフェースを二つも用意しないだらう普通。しかも、曲がなかなか格好いいとくる。困つたものだ。一事が万事で、とにかくこれを作つた奴はゲームといふものが好きで好きで仕方ないのが良く分る。オリジナリティは皆無といつていいけれど、全てが何かのパクリといふ訣でもない。敢て言ふならば「最上級の同人ゲーム」。ならば、凡百の市販ゲームよりは余程面白くて当然だ。

XBLAといふプラットフォームで見た場合、ここに「オラタン」を持つてくるといふのはある意味大人気がない。十年間で評価の定まつた孤高の最高傑作を持つてこられたら他の立つ瀬がない。それよりも、XNAといふ開発環境を経由して「The Dishwasher」の様な作品が頒布される下地としてのXBLAの方が余程魅力的だと思ふ。ワシはさう思つてゐるから、和製アーケードゲームの移植にしか興味を示さない2ch辺りの書込みを見る度に残念な気持になる。まして安易なアーケード移植の企画を山ほど持込んでMSKKに体良く断られた口実を間に受けて「XBLAはベタ移植不可」などといふ虚報を広めた某メーカーのことなどは腹立たしくさへ思ふ。