大和但馬屋日記

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なにしてん

キッズステーションで放映中のアニメ「ラブ★コン」が毎週楽しみだ。大阪弁が心地よい。中でも大谷がリサの浮気(?)の現場に出くはして放つた「なにしてん」といふ台詞なんか、ほんまにリアルやなあと思つた。
標準的な大阪弁で「何してん」と言つた場合、アクセントが「なにてん」で意味は「何をやつたんだ」となる。
ここでの台詞はさうではなくて、「なにしん」、「何をしてゐるんだ」といふ意味。
これは当作の舞台でもある大阪南部特有の言ひ回しで、同じ意味を教科書的な大阪弁で言ふなら「何しんねん」、少し柄を悪くして「何しんぢや」あたりになるだらうか。
語尾に「の」を付けて「何してんの」だと、ブライトさんの「何やつてんの」と全く同じになるといふか殆ど標準語に近いが、これだと随分調子が柔かい。
接尾辞がないためにどこか投げ放しのやうに聞こえる「なにしてん」といふ言葉は、ちよつと創作物の台詞としては使ひ難いニュアンスがある。ネイティブでなければ脚本には書けないだらう。そしてもちろん、あのシーンで大谷が吐き捨てる様に投げる言葉はこれしか有得ない。大阪弁の微妙な地域差が分らなければ別の意味に取られるリスクはあるとしても。かういふところがツボなのだ。
その「ラブ★コン」も残り二話か。終るのが寂しいな。