大和但馬屋日記

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ちと食傷気味

yms-zun2008-05-09

「Race Driver:GRID」体験版配信。非シミュレータ系実車レースゲーム。同ジャンルとして競合するのは「PGR」シリーズや「NFS」シリーズであり、特に「PGR4」や「NFS:PS」とは似てゐない点を探す方が難しい。それらと比べて大きく劣つた点もない代りに特に優れた点もない。開発スタッフは大きなことを言つてゐる様だが、聞けて話半分といつたところ。
以下、ワイヤレスレーシングホイール使用で遊んで思つたこと。アシスト類はすべて切つた。

レースモード&挙動について

サーキットレース、ストリートレース、ドリフトチャレンジが選べる。製品版ではもつと多彩なモードがあるのだらう。どうもモードによつて挙動エンジンが異る様で、その点では「NFS:PS」に近い。
最も気になるサーキットレースの挙動は、ハンドルが軽すぎる印象。感触としては「TDU」が一番近いがアレとも違ふ。そして、困つたことに「コーナーを攻める」といふ行為がちつとも面白くない。タイムアタックモードも試してみたが全然楽しくなかつた。
レースは二十台もの車が同時に走り、これは今世代のゲームとしてはかなり多い方なので良いのだが、結局楽しみ方としては「如何にダメージを最小限に抑へつつ敵車の壁を押し分けて牛蒡抜きするか」しかない。要するに「デイトナUSA」そのものといふことだ。
ドリフトチャレンジは輪をかけて謎挙動。これは特殊技能すぎる。モードによつて挙動エンジンを分けてゐない「PGR」とは比較にならないし、それなりに納得の行く「NFS:PS」より面白いといふこともない。

グラフィックについて

好みにもよるが非常に癖のあるシェーディング。凝つてはゐるがシェーダで絵を作りすぎてゐて、個人的には落着かなくて嫌ひなタイプの絵作りだ。全体にセピア調でコントラストが高く、疑似HDRIの光茫エフェクトがしつこい。画の完成度としては「NFS:PS」に敵ふものはないな。
破損表現や車体のディテールはトップクラス。車内視点の出来も「PGR」以上。ルームミラーやドアミラーも十分機能するし、割れたミラーへの映り込みなどは素直に驚いた。
ホイールをちやんと作つてゐるのも凄いが、生憎ほとんど回転してゐる様に見えない。テクスチャによるブラー表現は見た目ショボくてもそれなりに意味があると思つた。

サウンドについて

意外にもこれはリアル指向。「Forza2」と同様の表現で、エンジンの音よりメカニカルノイズを重視。車内視点でのギアの回転音は凄い。鳴つてる音の種類はもしかしたら「Forza」以上かもしれない。
低周波域をロードノイズに当ててゐるのも「Forza」風。ファンソニック超オススメ。
ただしドリフトモードのスキール音はキュルキュルうるさいアレ風味。

その他&総括

本作も他と同様にレースの賑やかさを表現しようとしてゐて、それはかなりのレベルで実現できてゐると思ふが、「PGR4」よりは上でも「NFS:PS」には負けてるかな。まあ、大きな違ひはない。
仮に日本で製品版がリリースされても、先行競合作をまだ遊び残してゐるワシの現状では、これを買つても積むだけだと思つた。「NFS:PS」を遊びきることができたら考へようかといふレベル。他に感じた「これでしか得られない何か」が感じられなかつたのは痛いな。世に出る順番の問題だつたかといふと強ちさうでもない感じ。
デイトナUSA」風レース、と自分で書いてそれが魅力に感じられなかつたのには自分で驚いたが、まあ、あれから面白いレースゲームが沢山出たといふことなのだらう。
体験版としてのボリュームは豊富すぎるほどでオンラインプレイにまで対応してゐるので、落して遊んでみる価値はある。