■ [GP][2008][belgium]2008年第13戦ベルギーGP決勝
スタート前に少し雨が降り、コースが部分的に濡れている如何にもスパらしいコンディション。
グリッド上のマシンはそれでも全車ドライタイヤを装着。ピケを除いてソフト側を選んだ様だ。予報ではスタート後三十分間は雨の心配なし。
スタート、数台のマシンが一コーナーで大幅にコースアウト。順位が大きく変ったがタイミングモニタが死んでいて正しく状況を把握できない。
二周目、ライコネンが首位に立った。
日が差して路面は乾きつつある。ラップタイムもどんどん上る。上位はライコネン、ハミルトン、マッサ、アロンソの順。
十周目、最終シケインでコバライネンがウェバーのインを狙うが接触。ウェバーはスピン、両車ともダメージはなさそうだが審議対象に。
十二周目、ハミルトンがピットイン。僅か六秒の給油でソフトタイヤ。三回ストップか。
コバライネンにドライブスルーペナルティ。
十四周目、マッサとアロンソがピットイン。マッサは二回ストップか。ピケがファーニュの進入でスピン、ウォールに当ってクラッシュ。
十五周目、コバライネンがドライブスルーを実行。
やっとタイミングモニタが来た。回線が重かったらしい。
ライコネンは調子良く後続との差を拡げている。ハミルトンの方が先に入った分ライコネンに対しては不利なので、これは厳しい。マッサが二回ストップだとしたら二番手キープも難しいかも。
二十一周目、バリチェッロがピットに戻りリタイア。
マクラーレンの一セクでの優位も失われてきて、ライコネンが逃げに入ったか。しかし周回遅れに引掛かった二十六周目、すぐさまピットへ。長めの給油でハードタイヤ、残り半分を走り切る。ハミルトンも同じ周に同じ作戦をとった。あとはコース上の戦い。
二十九周目、マッサがピットイン。ハミルトンの前には出られず三番手に復帰。このスティントになってライコネンのペースが鈍い。ハードタイヤが鬼門か。第一セクターで差が出るのはどういうことだろう。一コーナーくらいしか差の出るとこはないよなあ。タイヤでなくダウンフォースの差か。ライコネンとハミルトン、二秒以内でバトルが続く。
三十三周目、四番手ブルデーがピットイン。八番手でコース復帰。三十四周目、クビサとベッテルがピットイン。クビサが給油に時間を掛けすぎて、ベッテルに逆転を許してしまう。
残り九周。このまま行けるかセバスチャンズ。
ライコネンとハミルトンの差は少し開いたか。
チームラジオでしきりに雨が心配されている。少し降ってきたようだ。残り六周。
ライコネンのペースがガタ落ち。ハミルトンとテールトゥノーズになった。しかしハミルトンがシケインでミス、また差が開いた。これも雨の悪戯か。
四十二周目のシケインでハミルトンが並ぶ、しかしイン側をショートカット、ストレートで一旦ハミルトンが譲るが、一コーナーですぐさまインに飛込む。わずかに接触。ルイスが前。残り二周。
二人のバトルが続く。周回遅れも絡んであわやの接触。助かった。ハミルトンがコースアウト、ライコネンが前へ。しかしライコネンスピン。ルイスが前へ。キミ追う。大外へはみ出す。耐える。しかし最後にキミが大きくスライド、お釣りを喰ってグリップを取戻した先にあるのはコンクリートウォール。キミ終了。ファイナルラップ。
多くのマシンがピットでレインタイヤに交換する中、ハミルトンとマッサはそのまま走行。まさに薄氷を踏む様な思いだったろう。何とかこれを耐え抜いて、ハミルトンがスパで初優勝を飾った。
マッサが二位、三位にここまで誰もノーマークだったハイドフェルドが入った。四位アロンソ、五位ベッテル、以下クビサ、ブルデー、グロックまでが入賞。コバライネンは最終ラップで止ってしまい十位完走扱い。完走はライコネンを含めて十八台、天気がキミのチャンプ争いに止めを刺したかもしれない一戦となった。
こういう時に運を味方につけられないところにキミの、そしてフェラーリの苦しさが見える。
ところが、キミとルイスの一連のドタバタに審議が出た。あの「シケインショートカットの後にきちんと順位を譲ったと見倣されるかどうか」が審議の対象だとしたら、最終結果に「手心」が加えられるかもしれない。記者会見で自己アピールをしてみせるルイスだが、さてどうなるか。個人的にはどっちともとれるとしか。
来週はいよいよモンツァ。
追記
ハミルトンには二十五秒のペナルティが課され、三位に降格。マッサが優勝、ハイドフェルドが二位に繰り上がった。この裁定についてマクラーレンチームから抗議が行われたため、最終決議は国際控訴裁判所に委ねることとなった模様。
また、八位のグロックはライコネンのクラッシュによる黄旗掲示区間でウェバーを追い抜いたためにハミルトンと同じく二十五秒のペナルティが加算され、九位に降格。結果的に抜かれたウェバーが八位入賞となった。