大和但馬屋日記

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迂闊に「ゲームとしての面白さ」なんて書いてしまつたよ

yms-zun2007-09-03

危ない危ない。まあ、書いてしまつたことにはそれなりの裏付けを持たさなくてはなるまい。
焦点を「Space Giraffe」に絞つて最初から考へ直してみるか。
まづ、遊び方説明にある「Space Giraffeテンペストではありません!!」といふ注釈だ。基本的に誰が見たつて「テンペスト」だけど、「テンペスト」と同じ遊び方をしてつまらないとか言はないでね、といふ制作者の心の叫びだらうか。
テンペスト」の面白さ自体、ワシにはよく分らない。昔から何度か遊んでゐるけれども、ゲーム自体は「スペースインベーダー」の亜流にすぎなくて、ただベクタースキャンモニタによる3D表現が当時としては格好良すぎたといふのが今でも語り継がれる理由なのではないだらうか。「テンペスト2000」は遊んだことがないのでここでは触れない。
で、ゲーム的にはただのインベーダーもどきにすぎなかつた「テンペスト」が「Space Giraffe」に生れ変つて何が一番変つたかといふと、ただ敵を破壊すればいいといふものではなくなつた。敵を自分の移動するラインまで引寄せてから体当りをすると、敵を撥ね飛ばせる。雑魚敵を四体まとめて撥ね飛ばすと、そのステージ全体のスコア倍率が一つ上る。倍率は最大九倍まで上昇する。
では敵を一切撃たずに全部撥ね飛ばせば良いのかといふとさうでもない。このゲームには「パワーゾーン」といふものがあつて、これが無い状態で敵に接触するとミスになる。パワーゾーンの存在は背景のレーンの奥行き方向へのスケールで示される。敵を倒したりアイテムを取つたり、Rトリガーでジャンプをすると奥行き方向にレーンが延びる。ほんの少しでもレーンが延びてゐれば体当りが可能。
では常にジャンプしてゐれば良いではないか、といふとさうでもない。ジャンプはアイテムのジャンプポッド一つにつき一回しかできない。ジャンプポッドは五つまでストックできる。ジャンプポッドは敵の一定数(ステージによつて異なる模様)破壊によつて出現するので、適度に敵を撃つて倒す必要がある。
では適当に敵を選んで撃ち分ければ良からうと思ふのだが、さうもいかない。何とこのゲーム、ショットは完全に垂れ流しであり自分の操作で止めることができない。アイテム欲しさにレーンを横切れば、射線上の敵は否応なく薙ぎ払ふことになる。折角まとめて撥ね飛ばさうと思つてゐたのに、などといふことがよく起る。
以上がゲームの基本ルールで、これだけで結構な駆け引きが成立してゐるのは分ると思ふ。この基本要素に各種ボーナスや撃ち返せる敵の弾、厄介なフラワー、操作性にまで影響を及ぼしてくる様々な強敵などが絡んできて、うん、よく考へられたゲームだよね、と思ふ。
画面の視認性の悪さがそれをすべて台無しにしてる点を除けばね。
ゲームにかなり習熟しないと、敵の弾とアイテムとフラワーの見分けをつけることすらできない。相当にゲームに習熟してさへ、ミスをする原因の九割以上が「予期しない突然死」である。それも含めて「Space Giraffe」なんだよ、といはれればその通りだし、もはや自分もそれを言ふ側に立つほどに遊びこんではゐるのだけど、どうもそこのところが納得できてないんだよな。
うん、考へ直せばゲームとしてはよく出来てるよ。それは分つた。ただ、その良く出来てる部分を餌に、誰かにこのゲームの手引きをしてあげられる自信がない。誰かと楽しさを共有できる気がしない。引掛つてたのは、どうもそこらしい。
でもよく考へたらそれについては別に気にすることはないなと思つた。まあ、先に挙げた基本ルールを見て「面白さう」と思つたならそれを理解するまで頑張つてみても良いかもしれない。まづは体験版のチュートリアルで一千万点を超えてみれば、面白さが見えてくるんぢやないかな。
僕は宇宙麒麟を好きになつてもいいんだ!! パチパチ オメデタウ パチパチ