大和但馬屋日記

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ついでだからアニメ版「吉永さん家のガーゴイル」について

id:yms-zun:20060731#yoshinagaの続き。少し前に全話見終つた。
一連のアニメーション作品としては普通に良く出来てたと思ふ、けれどもやはり以前の感想と同じで、これを観て小説を読みたくなるかといふとさうでもないな、と。話を深読みする余地があまりなくて、アニメからさらに先に踏み込ませようとする牽引力がないといふか。
小説とアニメーションとで「表現できること」はもちろん異なつてゐて、小説の持つ文章の力とか味はひの様なものはどうしても映像には翻訳できないのだから、さういふ意味では凄く真当にアレンジされたんだな、とは思ふ。
「原作と違ふからアニメが駄目」といふつもりは毛頭なくて、むしろアニメはアニメで好きなんだけど、やはりワシは仙年堂の文章のファンなので、アニメを観てどう思つたのであれ小説にも一度は触れてほしいなあと、「ガーゴイル」を観た人に対してはお願ひしたいところ。
以下細かい話。

  • ハナ子の歌はコーラスみたいな「音」で逃げずにちやんと歌にしてほしかつたなあ。
  • 小説のヒッシャムはただウザいだけだつたけど、声がついたらかえつて良くなつた。
  • イヨはもう少し派手に演じてほしかつた。
  • 無理に夜倶先生出さなくてもよかつたんぢや? あれでは意味わかんないし。
  • オリジナルの話は微妙。無理が過ぎるといふか。
  • オシリスかはいいよオシリス

等々。
当然のことながら最新刊の小説を読む際に脳内で台詞に声がつくやうになつた。まあ、イメージから外れてはゐないし、ヒッシャムがウザキャラでなくなつたのでよしとしたい。