前回の次回予告を見て、正直「残り三話しかないのにこの話をやるのか」と思つた。どちらかといふと地味な話だし、何より屋内エピソードだし。
しかしこれが、見事な内容だつた。完璧な脚本と演出。隅々まで行き届いた配慮と計算。これはすごい。どこが良かつたかを挙げ始めたらもう全カット取上げるしかないくらゐで、つまり全部だ全部。レイアウト然り、キャラの芝居然り、声優の演技然り。「さくが」だつて悪くない。
何度か見返して、改めてスタッフをチェックしてみたら、やはり脚本と演出があの第十三話と同じ人だつた。なるほど道理で。
手を空に翳して藍華が口にした言葉は原作にもないもので、それが素晴らしく効果的だつたと思ふ。言ふことなし。
前回のラストの引きから、今回はアイが不在といふ妙に不安を煽る演出がなされてゐるのが気に掛るが、次回の話への伏線となるのだらう。といふか、その話は最終回にやるものとばかり思つてゐた(たぶん皆さうだと思ふ)のだが。なんだか狙つて外された気がしないでもない。
