大和但馬屋日記

はてなダイアリーからの移行中

空耳でなければ

ある技術系の人から「お前ら山に帰れよ」といふ声が届いた気がするので、最後にそれについてだけ答へて一連の件については終りとしたい。
要するに「お前らウザい」といふことでせうが、それあさうだ。「技術的な実験」に人文的見地から文句を云はれれば鬱陶しいに決つてます。
idea:8786のコメント欄に「ここでの要望が実装されても別の誰かが似たことを始めたら同じだ」といふ旨の反論があつて、それも成程その通りではあると思ひますけれども、それなら同じ理屈でかうも言へる。技術的に可能だからとあれこれ始めるたびに、毎度の様に誰かの文句と闘ふつもりなのですかと。はてなに関して言へば、これが初めてでもないでせう。
今回の件で特に声が大きかつたと覚しき一人である私yms-zunが山に引込んだとして、ぢやあそれで「Web2.0界」に平和が訪れるのか。そんな訣ない。新しいもの好きの技術集団が不特定多数の他者を相手にしたサービスの「実験」をしてるんだから、多かれ少なかれ必ず何かが起きますよ。さういふ鬱陶しい問題が起きる度に、その相手にいちいち「消えろ」と言ふ位ならそれこそ山にでも籠つてジャーゴンの通じる間柄で好きなだけ「実験」してゐた方がましでせう。オープンの場でやりたい様にやつて、「あんなことをいふウザッたい奴らさへ居なければいい結果が得られたのに」なんてもし本気で思つたとしたら、そんな「実験」に何の意味があるのかと思ひます。
「技術的に可能なことなら何だつて行はれてしまふのが現実だ」と言ふならば、さうしたことに難色を示す人間が幾らかの割合で存在するのだつて現実なんです。現実なんて、一つの価値観で括れる訣がない。現実同士が対立した時にどう折合いをつけるか、今回の件はその一つのケースに過ぎません。どちらか一方の現実を消し去ることなんてできないのだから、「山へ帰れ」なんてそれこそ有得ない理想論でしかない。嫌なんとか厨ですか。
だからといつて、今回の件で「だからこそ敢て自分が立上つたのだ」などと御為ごかして言ふつもりはないし、一言だつて建設的な意見を述べた訣でもないから「yms-zunの態度がウザい」といふ批難ならば甘んじて受けます。しかし、今回の件ではてなSNSの有様に対して向けられたいくつかの反対意見をすべて「技術の進歩の足を引張らうとする、時代について行けない連中の無駄な足掻き」だと認識されるならば、それは‥‥私がこんなことを言へた義理ではないのでせうが‥‥間違つてゐますよ。
新しい事を始めるな、とは言つてない。新しい事のうち、ついて行けないことには背を向けるかも知れない。しかし今回の事は、世間的に新しいことでも何でもない。ただ拙いところがあつただけ。そこに私や他の方が反応した。それだけです。
では本当に終り。