大和但馬屋日記

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サイズ固定の良し悪し


どうにも評判の悪いmixiの画面レイアウトの変更。その批判の急先鋒となる記事。

まあ仰ることは尤もだと思ふ部分もあるけれども、しかしこれに諸手を挙げて賛成できるかといふとさうでもない。
mixiの機能追加の是非と、それを三カラムレイアウトにしたことの是非はまた別の論議として、それらの実装形である現時点での横幅固定は、頭ごなしに否定すべきものではなかつたと思はれる。少なくとも、mixi内部で「これで良い」といふ判断があつたことは疑ひ様がない。
先の記事を読んで、安易に「横スクロールは悪」「表示幅固定は悪」といふ風潮が広まつたら、ワシとしては困ることになる。そもそも二カラムや三カラムのレイアウトが必要なのか、必要ならばそれをどう実装するのが適切かといふことを、「〜は悪」といふ御題目からではなしに、適切に判断していただきたい。まして、同記事のブックマークコメントに見られるやうな、「○○px以下ならいいんだ」といはんばかりの受止め方は短絡的に過ぎるのではないかと言はせていただく。
画像で示したのは、ワシのmixiの管理画面をメインで使用してゐるタブレットPC*1の縦画面モードで表示させた状態である。760×1024といふ縦長の解像度の右側にWindowsツールバーを置き、さらにOperaツールバーも右に配置してゐるから、ブラウズする画面は相当に縦長である。計つてみたら、有効ピクセル数は666pxだつた。なぜツールバーを右に寄せるかといふと、タブレットPCのオペレーションはかうしないと不便だから。ペンを右手で持つ以上、これ以外の配置は手が画面を覆ひ隠すことになるため話にならない。
さて、この様な環境でmixiを見た場合、画面に表示されてゐるのはレイアウト変更前とさほど変らない領域であると思はないだらうか。ワシは基本的にJavaScriptを切つてWEBを閲覧するし、別に今回追加されたニュースだの天気予報だのといつた新機能などどうでもいいから、これら重要でない部分が画面の外に追ひやられてゐても何ら気にならない。見えてゐる部分が従来通りであるから、全く不満にも思はない。画面を横スクロールさせて自分の見たいラインに合せてさへおけば、後は普通に縦スクロールだけで読めてしまふから、むしろそれなりの配慮がなされてゐるともとれる。
これがもし、「サイズ固定はユーザビリティとして良くない」といふ「常識」に囚はれたデザインとなつてゐたら、例へば%による相対指定で三カラム表示になつてゐたら、どうなるだらうか。とてもではないが、横666ピクセルの画面では閲覧できない、醜悪極まる画面になつてしまつたことだらう。実際、ユーザビリティに気を配つた相対指定による三カラムの綺麗なレイアウトをされてゐる方の日記を読むために、申し訣ないけれども毎回スタイルシートを解除してゐるといふ事実もあるくらゐである。
たまにしか見ない情報のために横スクロールをさせるのと、横スクロールを嫌ふ余りに画面内にすべてを表示させようとして破綻するのと、どちらがよりユーザビリティを損なつてゐるか。ワシのやうなタブレットPCによる閲覧を異端と切捨てるのも良いが、最近はフルブラウザを搭載した携帯端末や、W-ZERO3のやうなスマートフォンも登場してきてゐる。W-ZERO3VGA解像度はあの大きさの画面としてはもう限界で、あれ以上ピクセル数を増やしても細かすぎて見えなくなるだけだらう。そのW-ZERO3で縦画面でWEBを閲覧したときに、二カラムや三カラムの画面がどう表示されるか考へてみてほしい。横幅がたつたの480ピクセルしかない。WEBサイトを持つてゐる人は、一度自分のブラウザのサイズをそのくらゐにまで縮めてみることをお勧めする。世の中には、さういふ画面であなたのページを見てゐる人が居るのです。


ワシのレイアウトの基準は、今までは「タブレットPCで無理なく閲覧できること」だつたけれども、友人がW-ZERO3を購入したことによりそちらも基準に入れることにした。そもそもサイドバーが必要かどうかも考へたが、カテゴリリストだけは自分のために欲しい。よつてそれ以外の要素は排除。ここはブログではなく日記なので、自動生成されるリストは入れません(これは当初からさうだつた)。


先に結論が出る様に、段落の前後を大きく入れ換へた。文章の繋ぎに関る部分以外は改変してゐない。

  • 2006年02月09日 Yuichirou 『[HTML][design][comment] つまり、みんな「最小横幅800px論への言及への言及 : はみ出た部分は重要じゃなければよい」(http://www.akiyan.com/blog/archives/2006/02/800px.html)も目を通せよ、ってことね。』

*1:東芝 Dynabook SS3500