大和但馬屋日記

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「あなた」の使ひ方

他の人のコメント欄に少し書いたことだけど、一往メモとして残しておかう。
馴れ馴れしい広告文体の御蔭で麻痺してゐる人が今では少なくないだらうが、「あなた」は万能に使へる敬称ではない。
分り易くいふと、「君」と呼びかけても差支へない相手に対してのみ使つてよい言葉だ。当然目上の人には使ふべきでないし、さほど親密でない相手に敬称のつもりで使つて相手が怒り出さないといふ保証はどこにもない。そして、その場合怒つた相手の方が正しい。
google:あなたを見るまでもなく、世の中には不特定多数に向けた「あなた」が氾濫してゐる。これに代る二人称代名詞が日本語には存在しないから、ある部分で止むを得ない変化であることは認めざるを得ないが、一対一の関係の中で同じ様に使ふべきでないといふのはまだそれほど廃れた感覚ではないだらう。買ひ物の最中などに店員に「あなた」と呼ばれて平然として居られるだらうか。
まあ、砕けた形の「あんた」に置換へてみれば分り易い話だ。