大和但馬屋日記

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ういれ

キーワード「巨商伝」の振仮名が「きょうしょうでん」となつてゐるのがひどく気になる。普通なら「きょしょうでん*1」で間違ひないだらうが、メーカーがさう読ませるのならキーワードの振仮名としては間違ひとはいへない。メーカーがどう読んでゐるかを調べようと公式サイトを覗いてみても、それらしい記述はない。といふか、ロゴには「あきんどおんらいん」などとあつてもはやわけがわからない。
似たやうな例に女王を「じょうおう*2」と読ませるのがあつて、自分がそれを知つたのは「ドラクエIII」のメッセージに「りゅうのじょうおう」とあるのを見たのが最初だつた。「何これ間違ひやん」とそのときは思つたし、確か広辞苑にも載つてない様な気がした。ところが、それなりに一般的な読みらしいと後で知つて驚いたのだ。

ついでに、ドラクエの他のシリーズにも「じょうおう」表記は見られるので、少なくとも堀井雄二氏はさう読むことに決めてゐることがわかる。こんな例があるから「巨商伝」が「きょうしょうでん」でも間違ひではないのかと思つて直すのをためらつてゐるのだが、実際のところどうなのだらう。ざつと調べたところ「巨」を「きょう」と読む用例は見つけられなかつたが。
あれこれ調べるうちに女房を「にょうぼう*3」と読むのも本来的でないことに気付いたが、これは随分古い言葉であるはずだ。goo辞書によると「にうばう」表記は室町時代から見られるらしい。さういへば「源氏物語」の冒頭の一節にも女御(にょうご)といふ言葉があるが、これも本来は「にょご」だらう。
女王といふ言葉が日本に入つてきたのがいつで、それを「じょうおう」と読み慣はすやうになつたのがいつ頃のことなのか、これも気になつてきた。にょ。

追記

キーワード「巨商伝」の振仮名は修正された模様。作業された方、お手数をおかけしました。

*1:きよしやうでん

*2:ぢようわう

*3:にうばう